新フォームではい上がる。阪神原口文仁捕手(25)が20日、三重・伊賀市内で行う自主トレで誓いを新たにした。暖かい日差しを浴び、気持ちよさそうに快音を響かせた。バットを肩に乗せるように倒して構える新打法を披露。シンプルな打撃フォームをマイナーチェンジし「バットが出やすい角度だったり、ヘッドの入り方だったり。このオフはいろいろやりながら、いい方向に行っているんじゃないかなという感覚もある」と明かした。

 思い切ったフォーム改造の、ヒントは意外な人物からももらっていた。メッセンジャーだ。「ずっとリラックス、リラックスと。打ってるときは、もっと楽にしてるよって」。昨季は73試合の出場で2割2分6厘、6本塁打にとどまった。内角球をフェアゾーンに飛ばしたいと考え、打撃を崩した一面もある。メッセの助言も生きる新フォームは徐々に体になじんできた。バットも芯の位置が先にあるトップバランスのものに変更。意気込みが違う。

 捕手への強いこだわりを持ち、厳しい競争のなかに身を投じる。だが「戻るからには良くなって戻ろうという気持ち。やるべきことをやるだけ」とライバルには目もくれない。再起を懸ける1年に「またゼロからのスタートになったのは自分の責任。はい上がってアピールしたい。結果しかない。打つのも守るのも結果を求めてやりたい」と引き締める。新フォームを携え、捕手・原口が勝負に出る。【池本泰尚】