楽天から移籍のソフトバンク西田哲朗内野手(26)が、今月4日に70歳で急逝した星野仙一氏から監督最後の4番打者に指名された恩返しを誓った。27日、福岡・筑後市のファーム施設で初めて自主トレを行った。

 筑後に来るまでは、楽天嶋と岡山・倉敷で自主トレを積んできた。星野さんが練習環境を用意してくれ、今年で2回目。急死の知らせを聞いた直後の7日から20日まで鍛えた。移籍決定後の昨年12月上旬、楽天球団納会の日にあいさつに行くと、星野さんから「いつでも(連絡を)してこい」と、送り出されたという。「あぁやせてるなと思ったんですが、(周囲の人から)ダイエットしていると言われて…。(死去を)知った時は驚きでしかなかった」。

 星野さんが楽天監督として最後に指揮を執った14年、遊撃のレギュラーに抜てきされた。出場131試合のうち、2試合4番を任された。ラスト采配となった10月7日オリックス戦の4番は西田。「次の年への期待をかけてもらったのに、そこからケガもあっていいところが見せられなかった。天国の星野さんのためにも」。自慢の打撃力発揮で、恩返しする意気込みだ。

 A組野手でただひとりの新戦力。二塁、三塁、遊撃と守り、まずは1軍ベンチを勝ち取りにいく。これまで手だけで打っていた打撃も体全体でとらえるように改良し、フォームも固まってきた。「体は万全。レギュラー陣はしっかりしているが、やるからにはレギュラーを狙いたい」。激戦の二塁争いだけでなく、遊撃今宮、三塁松田にも挑戦する。星野さんへの感謝を胸に、福岡で大きな花を咲かせる覚悟だ。【石橋隆雄】