虎の底上げを確信！　日刊スポーツ評論家の桧山進次郎氏（４８）が阪神の宜野座キャンプ２日目に、レギュラー白紙のセンターラインをチェックした。フリー打撃やシートノックを視察し、中谷、糸原、ルーキー熊谷に注目。若虎のレベルアップを実感し、激しいポジション争いを期待した。【取材・構成＝田口真一郎】

　桧山氏はグラウンドに下り立ち、シートノックやフリー打撃を熱心に見つめた。全野手の動きをチェック。実感したことがあった。

　桧山氏　オフにしっかりと取り組んできたことが分かる。これは金本イズムです。厳しい練習を課してきたことで、オフに鍛錬しないとキャンプについていけない危機感がある。それが若手に浸透しました。

　センターラインのポジション争いが今キャンプの焦点の１つだ。中堅、二遊間はレギュラー不在。打撃面で目を引いた選手は誰か。２人の名前を挙げた。

　桧山氏　中谷と糸原です。スイングスピードがさらに速くなりました。中でも糸原のパンチ力に改めて魅力を感じました。ボールをしっかりとらえられています。ショートの守備が課題になりますが、コーチからアドバイスを受けて、守備範囲は広くなるでしょう。

　守備は今度の取り組み次第だが、糸原に打撃面の優位性を感じ取った。そしてシートノックでルーキーの動きに強い関心を持った。

　桧山氏　面白いのは熊谷です。シートノック全体の流れに、新人がついていくのは難しいもの。それでも、彼は自然に入っていけた。ルーキーが守っているようには見えなかった。どんな体勢でもスムーズに送球できる印象。走力もアピールできれば、１軍に居続けることができる。打撃は非力ですが、練習量をこなせば、伸びる要素は十分にあります。守備力があれば、レギュラーになるチャンスが格段に増します。

　中谷は長打力と守備力が高く、打撃が安定すれば、中堅の最有力だ。速球への対応が課題とされているが、桧山氏の考えは違った。

　桧山氏　速球に弱いとは思いません。昨年は失敗した時に尾を引き、打席で自分と勝負しているように見えました。場数を踏んだので、いかに考えて打てるかが重要。駆け引きで、バッテリーと勝負できれば、ランクも上がります。

　北條や高山も巻き返しに必死だ。桧山氏は若手の競争激化に期待を寄せた。

　桧山氏　いつ誰が一流選手に仲間入りしても、おかしくない状態です。後は「考える」という段階に来ました。コツをつかめば、一気に変わる。早くつかんだ者が勝ちです。