広島がソフトバンクとのオープン戦最終戦を白星で締めくくった。右足首骨折からの復帰を目指す鈴木誠也外野手(23)にめどが立ち、シーズン開幕で初めて4番を務めることが決定的。主力のタナキクマルも健在を示し、最後は勝利の方程式の形でつないだ。広島の形で勝利したことが何より大きい。オープン戦は3勝9敗2分けの11位も、連覇した昨年と同じ順位であり、吉兆ともいえる。あとは30日の開幕を待つのみだ。

 投打がかみ合った6試合ぶりの勝利。オープン戦を白星で締めくくった。これ以上ない総仕上げに、緒方監督は確かな手応えを手にシーズンに臨む。「最後こういう形でしっかりした内容でオープン戦を締められた。ずっと連敗でシーズン入るよりはね。いい形で勝って開幕を迎えられる」。連覇した昨年と同じ11位で終えたことも、“吉兆”とすら感じさせる。

 中軸を担う鈴木にめどが立ったことが何より大きい。8回までグラウンドに立ち続け、守り、投げ、打ち、そして走った。「8回まで出られたので、9回も変わらずにやれると思う」。慎重なコメントを繰り返してきた鈴木の口からようやくGOサインが出た。

 前日24日まで足への衝撃が強い人工芝のヤフオクドームでの2試合も8回、7回と出場。短期間で移動を繰り返すオープン戦終盤を乗りきったことも、シーズンへ向けた自信となったに違いない。「正直開幕に間に合うとは思っていなかった。監督やコーチに気を使ってもらいやって来られた。感謝したい」。6年目の今季、初めて4番で開幕を迎えることになりそうだ。

 春季キャンプ中、右肩の可動域の影響で調整が出遅れていた丸も開幕へ万全。マルチ安打を記録し、守りでは2回にデスパイネの前方へのライナーにダイビングキャッチで投手を助けた。5回は田中の出塁から丸がかえす、広島の顔ともいえるタナキクマルでの得点シーンもあった。丸は「やらないといけない立場なので。もっと確率を上げていければ」と自覚を口にする。

 2人の姿に緒方監督は「メドが立ったのは安心材料の1つ」と胸をなでおろした。先発の柱と期待する大瀬良が前回から修正して好投。7回からは今村、ジャクソン、中崎の勝利の方程式でつないだ。バティスタ、新井と離脱者はいるものの、18年版緒方広島の骨格を担う選手たちがそろい踏み。3連覇へ挑む準備は整った。【前原淳】