ソフトバンク内川聖一内野手(35)が、西武2番手武隈から8回1死一塁で迎えた第4打席でヒットを放ち大台に到達した。史上51人目の通算2000安打を達成した。

 打った瞬間、一塁ベンチに向かって右手でガッツポーズを作りながら笑顔で一塁ベースを踏みしめた。5日に王手をかけてから15打席目の難産だっただけに喜びもひとしおだった。西武松井稼頭央から花束を手渡され、グラウンドに現れた王会長の祝福も受け、記念撮影に笑顔で応えた。

 昨年は2度の大きな故障に泣かされたが、今年は開幕から不動の4番としてチームを支え、節目の瞬間を迎えた。

 「2000本、名球会というところに行き着くとは考えたこともなかったし、現実的に1日、1日やってきた中で、気づいたらここまで来たかっていう感じですね」。レギュラー定着はプロ8年目と遅咲きだったが、バリバリの主力として大台を達成した。

 工藤監督が就任した15年から4番打者に指名された。時を同じくしてヤフオクドームにラッキーゾーンとなるホームランテラス席が設置され、球場が狭くなった。「今までフェンスに当たっていたものが本塁打になるなら本数も増えるなと。今考えると安易な発想だったなと思いますけどね。もうちょっと自分自身が内川聖一の打撃がこういうものなんだと固まっていれば、あの数字にはなってないとは思います」。長打を狙い、引っ張る打撃を求めた結果、08年から続けてきたシーズン打率3割以上が7年でストップ。打率2割8分4厘、11本。そこから再びフェアグラウンドを90度使用する広角打法に戻し、翌16年は再び打率3割を越えた。

 「昨年と同じことをしていてはマイナス」と今年も向上心を持って18年型内川聖一の打撃を探している。柳田、デスパイネ、松田と長距離砲がそろう中、工藤監督が全幅の信頼を置く4番は内川しかいない。まだ35歳。2000安打は通過点にしか過ぎない。