阪神糸井嘉男外野手(37)が22日、東京都内でアンダーアーマーが契約を締結するドーム社のイベントに出席し、優勝にかける思いを語った。「矢野さんを胴上げして。そのためには1人1人がレベルアップして」と、今季から指揮を執る新監督とともに頂点に立つ意気込みを吐露。そのために「全部出て貢献したい」と、3年ぶりの全試合出場を自らに課して19年シーズンに臨む。

糸井の19年第1声は、全試合完走し、優勝のゴールテープを切る約束だった。サポートを受けるアンダーアーマーのイベント。さっそうとステージに登場し、引き締まった姿で観客を魅了した。オフのトレーニングの充実ぶりを全身に漂わせ、さらに明かした思いは矢野阪神の船出を支える熱い決意だった。

「それはもう、矢野さんを胴上げして。そのためにやっぱり、チーム1人1人がレベルアップしてね」と、ナインが成長し、新監督のもとで1つになる団結の力を強調。さらに自身は「骨折とかもあって、ここ2年とか110何試合で終わってる。規定(打席)とかには乗ってるんですけど、自分の中では全く納得いくものがないんで。やっぱりFAで(阪神に)来てるし。全部出て貢献したい」と、チームに請われてオリックスから移籍した主力選手の責任感をみなぎらせた。

年明けは沖縄を拠点にし、ソフトバンク柳田、オリックスの後輩だった吉田正らと自主トレに励んだ。走攻守にわたる糸井のパフォーマンスに引かれ、後に続こうと努力する左の強打者たち。糸井にとっても、強い刺激を受ける後輩たちだ。「こちらが刺激をもらってる。球界を代表する左打者になってる。勉強になったりします」。その活躍が日本一軍団ソフトバンクの成績に直結する柳田、プロ入りからすぐに球界屈指のフルスイング男になった吉田正。2人の姿を見るにつけ、一選手としても、チームの主軸としても、トップアスリートでい続けようとする意欲がわく。

キャンプインも目の前。「始まるな、という思い」と、心は阪神3年目のシーズンに向かう。今季、すべての試合に「糸井」の名を残す。全試合完走。鉄人・糸井が復活する。【堀まどか】