阪神は西武に完敗し、3連戦3連勝を逃した。矢野監督は、恩師の野村元監督に感謝の白星を届けられず。完敗後に「いろんな課題が出たんじゃない。反省したり、また、俺らもやることがいっぱいある。今日は勝ってしっかり終わりたい思いは強かった」と話した。

接戦を拾う試合運びをできなかった。1点リードの2回2死二塁。金子侑の打球は深めの三ゴロで攻守交代-。誰もがそう思ったが大山が一塁悪送球。痛恨の適時失策を犯し、同点に追いつかれた。指揮官も「アレは痛いわね。送球ミスっていうのはね。何て言うの、しっかりやらんともちろんダメだろうし、あれで得点取られているわけだからね」と嘆くしかなかった。

両リーグ最多14失策の大山は厳しい表情のまま無言で引き揚げた。6回もガルシアが本塁ベースカバーに遅れ、中堅近本の送球失策による進塁を許していたずらに失点を重ねた。チーム66失策は12球団ワースト。課題が浮き彫りになった。

指揮官にとって、背筋が伸びた1日だった。試合前練習後。現役時代に薫陶を受けた、元阪神監督の野村氏とテレビ番組の収録で対談した。「俺がいま監督という立場にならせてもらっているのも野村監督のおかげ。緊張する。頑張れってね。気持ちが応援してるぞというのが、すごくありがたかった。それが一番」と振り返っていた。

選手時に配られた「ノムラの考え」はバイブルだ。「染み込んでいる部分もある」と明かす。昨年10月中旬、新監督に就任すると東京にあいさつへ行った。この日はバックネット裏で戦況を見守る師に勝利を見せられず、交流戦は6勝10敗2分け、現時点で10位。月間負け越しも決まった。貯金1でリーグ戦に突入する。指揮官は「改善していかなあかんところと成長していかなあかんところは今日の試合でもたくさんあった。課題の多い試合やったね」と話す。負けに不思議の負けなし-。何度も聞いたフレーズを教訓に、シーズンの佳境へと向かう。【酒井俊作】