頼もしい男が帰ってきた。左大腿(だいたい)直筋肉離れで戦列を離れていたロッテ角中勝也外野手(32)が、5月28日の日本ハム戦以来38日ぶりに1軍に復帰。6番左翼で先発出場すると、1打数1安打で3四球を選ぶなど4打席すべてで出塁した。チームは5位と苦しんでいるが、借金はまだ2。角中が復帰し、つながりの増した打線で球宴前に一気に巻き返す。

交流戦が終わり、トンボが飛び出したZOZOマリンに角中が立った。2回2死の第1打席で早速、持ち味を発揮した。2球で2ストライクに追い込まれるとファウルで粘る。最後は9球目を見送り、四球を選んだ。「ボールを振ってないのはいいけど、仕留められる球をファウルにしているのもあるので」。復帰戦で3四球を選んだが、職人気質に満足はない。

ファームで14打席に立ち、8四死球を選んだ。「手が出なかっただけですよ」と言うが、間違いなくボールが見えていた。それを証明したのが5回無死の第2打席。追い込まれてからの4球目、真ん中に入ってくるカーブをしっかりと引きつけ、中前打。「真っすぐは前に飛んでないので、対応できるように頑張ります」と直球への対応を今後の課題とした。

今季は臀部(でんぶ)の張りと闘ってきた。痛みまではないが違和感がある。無意識にかばってしまい、ベストパフォーマンスができない。打率も2割1分まで下がった。そんな中、襲ったケガだった。「1年に1回くらいは必ず2軍に1カ月くらいいる。何をするべきかは分かっています」とベテランらしく焦らず状態を上げてきた。

暴投で同点に追いついた直後の8回1死二、三塁では、井上の中前打で二塁から激走し生還した。打って走って回復を印象づけた。「勝てて良かったぐらいです。いろんなところつっちゃったんで、しっかりケアして最後まで出られるように頑張ります」。井上に影響を受けて購入した筋膜リリース用のマッサージ機器「HYPERVOLT」で疲れを取り、今後も勝利に貢献する。【久永壮真】