日本ハム有原航平投手(26)がリーグ一番乗りとなる10勝目を挙げた。ソフトバンク戦で8回2安打無失点。2年ぶりの2ケタ勝利に到達した。「チームに感謝したい。次も頑張ります」。ヒーローインタビューでは謙虚に言葉を並べた。

試合開始まで雨が降り、蒸し暑く、土もぬかるむ環境にも対応した。「ボール自体はコントロールに苦しんだ部分があったけど、キャッチャーの配球や野手のみなさんに守ってもらえた」。気持ちを切らすことなく、丁寧に投げ続けた。得点圏に走者を置いたのは初回と5回だけ。8回2死では、上林に対して球場表示148キロの直球で空振り三振。この日の114球目でも、キレと力がある真っすぐでねじ伏せた。

球宴では12日の第1戦に登板し、2回25球を投げた。中4日で臨んだマウンドだったが「8回は絶対に投げたいと思っていた」。首位との直接対決で連勝して迎えた3戦目。「絶対に負けられない試合だと分かっていた」と気持ちを1球1球に込めた。栗山監督も「中4日で、ちょっと体が重かったかもしれない」と継投のタイミングを計っていたが、抜群の内容に、8回を任せた。「責任を持って、しっかり投げてくれた」とねぎらった。

16年5月7日にも北九州でソフトバンクを相手に完投勝利をマークした。3年ぶりの登板でも本領を発揮。チームはその後に日本一まで駆け上がっただけに、縁起も良い10勝目。何よりも首位ソフトバンク相手に3連勝を力強く決めた快投は、シーズン終盤の勝負どころで生きてくる。【木下大輔】