不運な形での敗戦にも、日本ハム栗山英樹監督(58)の表情は穏やかだった。「すごく良い試合だったよね。ごめん。(負けたのは)俺のせいだから。勝たせてあげたい試合だった」。じっとしていても汗が噴き出すような蒸し暑さの中、メットライフドームの球場から駐車場まで続く長い長い階段を「ごめん」を繰り返しながら、上がって行った。

4-7で迎えた9回1死一、二塁。近藤が同点の2号3ランを中堅右へ打ち込むと、5連勝への期待が一気に膨らんだ。「本塁打という一番最高の結果になって良かった。投手陣が頑張ってくれているので、打線でカバーできるようにしたい」と近藤。先発の堀が4回5失点とつかまり、後手に回っていた試合で、8回に中田、9回は近藤と中軸2人の一発で終盤、五分に持ち込んだ。

劇的な展開に手をたたいて喜んだ栗山監督だったが、最後は遊撃の名手、中島が不運な形で打球処理を誤ってサヨナラ負け。「打線が粘ったのは、素晴らしいこと。ただ、これからは勝ち負けが重要なので。勝ちきれなかったことを、受け止めます」と、いつものように敗戦の責任を自ら背負った。

首位ソフトバンクとの差は1・5に。1週間ぶりの黒星となったが、悲観することはない。打線は4試合連続2ケタ安打と好調をキープし、投手陣も必死の継投で競り合いに持ち込んだ。敗れはしたが、後半戦11試合は9勝2敗、勝率7割5分。30日から始まる3位楽天、ソフトバンクとの6連戦へ、自信を持って臨む。【中島宙恵】