熱投横浜スタジアム! DeNA今永昇太投手(25)が、今季3度目の完封で自己最多に並ぶ11勝目を挙げた。「2位攻防」となる広島21回戦(横浜)で今季最多140球、5安打10奪三振の力投。チームを連勝に導き、2位をがっちりとキープした。

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蒸し暑い夜のハマスタで、背番号21が熱い雄たけびを上げた。9回2死二塁、会沢から10個目の三振を奪ってゲームセット。熱戦を展開する甲子園球児さながらの140球完封を成し遂げた。お立ち台では「いつも以上に汗が出ましたが高校球児は昼間なので。負けていられないと思いました」と汗をぬぐった。

熱い気持ちと冷静な分析力で大事なマウンドに臨んだ。チームの連敗こそ前夜で止まったが、前回11日の中日戦で5回3失点で降板(勝敗つかず)してから連敗が始まっただけに、エースとして「責任感は強く感じていた」。一方で微妙な感覚のズレを修正した。ここ2試合続けて5回で降板し「強いボールを投げようと(捕手の)ミットだけしか見えなくなっていた」と反省。体の使い方について「横回転になって腕も横から出ていた。横というより斜めの軸で『背負い投げ』のようなイメージ」と頭の中をきっちり整理した。

1、2回こそ得点圏に走者を背負ったが、3回は1番西川、2番菊池涼から連続三振を奪うなど3者凡退に抑えてリズムに乗った。最速140キロ台後半の直球を軸に、チェンジアップや「遊び球」という120キロ台の遅めスライダーで緩急をつけた。10個を積んだ奪三振は今季147個で、2・48とした防御率とともにリーグトップ。自己最多に並んだ11勝目も巨人山口と1差。投手3冠を射程に入れている。

9回もちゅうちょなくマウンドに送り出したというラミレス監督も「今季のベストパフォーマンス。うちのNO・1ピッチャー」と大絶賛。左腕は「もっともっと数を積み重ねないと。突き抜けた成績を残せるように」。甲子園同様、ペナントレースも終盤戦。今永の熱投はまだまだ続いていく。【鈴木正章】