強気投球で山賊退治! 楽天石橋良太投手(28)が、西武17回戦(メットライフドーム)で先発。6回5安打2失点の好投で6勝目(6敗)を挙げた。

最速152キロの直球を軸に内角を攻めて相手強力打線を翻弄(ほんろう)。チームの3連敗を阻止し、3位キープに大きく貢献した。

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「強気」と「切り替え」で白星をたぐり寄せた。敵地でヒーローインタビューを受けた石橋が、冷静な表情で無数のフラッシュを浴びた。

石橋 とにかく強気で自分らしく。腕を振ることを意識しました。反省すべき点もありますが、何とか粘ることができてよかったと思います。

立ち上がりから制球に苦しんだ。2回には連続四球で無死一、二塁のピンチ。ここで7番山川を151キロ直球の1球で仕留めると、続く木村、金子侑も力で抑え込み、なんとか無失点で切り抜けた。3回以降は「ソロならOKのつもりで、気持ちを切り替えた」。適度な“荒れ球”は自らの持ち味。計4四球は与えたが、内角を「強気」に突く攻めの投球を貫き、リーグ屈指の山賊打線を封じて見せた。

前回登板となった今月18日の日本ハム戦(札幌ドーム)では5回途中9安打4失点で降板。自らに勝敗はつかなかったが、先発投手としての責任は痛感していた。この日は敗れれば、5月17日以来、3カ月ぶりの借金生活となる正念場。「自分の中の感覚ですが、直球がシュート回転していた」と、生命線となる直球の感覚を微調整していた。平石監督も「ストライクばっかり放っても仕方ない。ボールカウントが増えても相手に(内角の)イメージを植え付ける、いいピッチングだった」と右腕を評価した。

「とにかくキレイな投球はせず、泥臭く、粘り強く投げていきたい」と石橋。上位を見据え、最後まで強気に投げ抜く決意だ。【鈴木正章】