セ・リーグの新人最多安打に並んだ阪神近本光司外野手の東浦中時代の野球部監督で、3年生の時には担任を務めた巽史明先生(46)が日刊スポーツに手記を寄せた。当時から変わらぬ打撃フォームでの快挙達成を喜んだ。

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光司、セ・リーグ記録おめでとう! ドラフト1位で指名されて、プロの世界に入っても、全く打ち方が変わってないのは不思議でたまりません。今でも中学生の時のフォームで打席に立って、ヒットを打って。記録とかタイトルとかは考えてなかったけど、とにかく1シーズンを越えてほしいと思って見ていました。

8月22日DeNA戦(京セラドーム大阪)は、今の部員を連れて観戦に行きました。これはすごいなと再確認。そこで子どもに与えた影響はすごい。「体が小さくても、淡路島からでもプロでこんなに活躍できるんだ」と体現してくれました。

打てば遠くにも飛ぶのは昔から。当て逃げなんてさせたことはありません。それをしても技術が伸びるとは思わなかった。それに、僕は広角に打たせるのが好きだった。だから「ボールがやってくるのを待って、打つんだ」と教えました。もちろん、光司は打球を引っ張ることもできる。足を上げて、下げる時にボールを呼び込む。パーンと強く飛ばせるのは、昔から全く変わりません。

謙虚なのも変わらないです。年末に食事した時に「相変わらずやな」と言いました。小さい時から打席でリスト(手首)がうまく回らない。「先生に中学校の時から言われてるんですが、苦手なんですよ…。もう1回、教えてください」と言ってきて。ドラフト1位の、こんなにヒットを打てる打者に教えることなんて、もうないですよ!

プロ1年目で活躍してくれて、本当にうれしい。センターを1年間、守り続けたのは本当にすごい。おめでとう。でも、まだまだここから。2年目も頑張れよ! 【東浦中時代の野球部監督・3年次の担任=巽史明】