「日本の足」が日本一への道を切り開く。「SMBC日本シリーズ2019」第3戦は22日に東京ドームへ舞台を移して行われる。ソフトバンク周東佑京内野手(23)は第1、2戦とも7回に代走で巨人バッテリーに重圧をかけ、2戦連続の1得点。11月の「プレミア12」で侍ジャパンにも選ばれている「快足職人」は「今までも警戒される中でやってきた」とプライドをにじませた。

「7回の周東」は、東京に向かう福岡空港で複雑な表情を浮かべていた。育成出身の2年目。開幕前に支配下選手登録され、先発出場がほとんどない「控え」としては異例の視線を向けられる。「正直、嫌ですね」。端正な顔をゆがめ、思わず苦笑いだ。

「代走周東」とコールされると、レギュラー選手以上の歓声を浴びるようになった。うれしさもあるが、重圧も大きい。日に日に高まる注目度にも「あんまり聞かないようにしています」とグラウンド上に集中している。第1戦に続き、第2戦も7回に代走で登場。無死一塁から巨人2番手大竹に重圧をかけた。3度のけん制をかいくぐり、グラシアルの左前打で三塁を陥れ、続く松田宣の決勝3ランにつなげた。

2試合の活躍で巨人のマークは強くなる。それでも「職人」としてのプライドがある。「警戒される中でというのは、今までもやってきている。それで僕のプレーが変わるということはない。自分のできることをやる。それだけですね」とキッパリ。支配下1年目から大事な局面を任された経験が自信になっている。

工藤監督は「警戒されている中で走れる。塁上にいるだけで相手バッテリーにプレッシャーを与えられる」と高く評価する。日本一のかかった大一番でも「代走周東」が切り札になる。【山本大地】