楽天イーグルスベースボールスクール(宮城・主催者代表)が5-1で東長町スワローズ少年野球部(宮城・仙台市代表)を下し、2年連続2度目の優勝をつかんだ。先発左腕の渡辺裕輝(6年)が4回1失点で試合をつくり、4回裏に宍戸琉気外野手(6年)が3点ランニング本塁打など、一挙5点を奪う逆転劇で試合を決めた。

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楽天スクールは今年最後の大会で、6年生が有終の美を飾った。迎えた決勝は、初回に失策が絡んで先制を許すも、先発した渡辺裕は「点を取られて嫌なムードになったが、自分たちには流れを持ってくる力がある」と一呼吸置き、後続を打ち取ることに集中。2回以降に走者を許したのは3回の四球のみと安定した。4回1死で東長町の4番辻健太主将(6年)を迎えた場面では、「相手の守備で流れをつかめなかったが、それなら自分の投球で流れを持ってこよう」とギアを1つ上げ、1年間のスクールで磨いた内角直球で空振り三振。味方の反撃を待った。

エースの粘投に打線も応えた。3回まで毎回走者を出すも好守備に阻まれ、あと1本が出ない展開が続いたが、4回2死から待望の連打が出た。2死二塁で桜井剛志(6年)の放った強烈な一打は二塁手を襲い、打球は右中間を抜け、桜井までホームにかえって逆転に成功。さらに一、二塁の好機をつくり、宍戸が真ん中高めを振り抜き中越えの3点ランニング本塁打を放った。公式戦通算13本目の一発に宍戸は「感触はとても良かった。1点差だったので、なんとか1人でもかえしてピッチャーを楽にさせたかった」と笑顔で振り返った。

約半年間チームを指導していた牧田明久前監督(37)が10月に楽天2軍外野守備走塁コーチに就任。後任には東北楽天リトルシニアのコーチを務める古川翔輝監督(29)に引き継がれた。早々に結果を出した新監督は「試合前に『牧田さんが教えてくれたことをしっかり発揮しなさい』と話した。思う存分に力を出してくれました」。楽天スクールで得た経験値をベースとし、6年生は次のステージでの成長につなげていく。【相沢孔志】