「誠也ロード」を突き進む! 広島ドラフト2位の法大・宇草孔基外野手(22)が19日、都内のホテルで仮契約を交わした。契約金8000万円、年俸1200万円。同じ外野手で同じ東京都出身の主砲・鈴木を目標に掲げ、プロの扉をたたく。各世代で代表入りしてきた即戦力が、世界一に輝いた日本の4番の背中を追う。(金額は推定)
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持ち味の思い切りの良さは会見でもみられた。即戦力と期待される宇草は、金びょうぶの前でハキハキとプロでの目標や意気込みを口にした。終始しっかりと前を見据えていたのは、プロでの理想像が明確だからかもしれない。
「(目標は)鈴木誠也選手です。本当にカープの中心選手でありますし、走攻守3拍子そろったスケールの大きな選手。自分もそのような選手になりたい」
鈴木の名は幼少期から知っていた。生まれ育った墨田区の隣、荒川区に神童がいるといううわさを耳にした。荒川リトルでプレーしていた鈴木だった。「自分の目でプレーを見たことはなかったのですが、『ああいう選手がプロに行く』と大人の人たちが言っていたのを幼いながらに覚えている」。プロ入り後もチェックし、プレミア12での勝負強さには驚かされた。この日、具体的な目標に挙げた「トリプルスリー」は偶然にも、鈴木が入団前に掲げた目標と重なる。
常総学院高では甲子園に出場し、高校日本代表にも選ばれた。法大では3年時に頭角を現し、大学日本代表に選出。ドラフト2位で広島に指名された。俊足巧打にパンチ力も併せ持つ。プレースタイルも重なる。「どんなときも攻めていく。気持ちで負けないことは大学時代に貫いてきたので、カープに入ってからも貫いていきたいと思います」。広島の外野陣は鈴木や西川のほか、長野、松山、野間らがひしめく激戦区だが、1歩も引くつもりはない。
鈴木への弟子入りは「おこがましくて言えないです」と言いつつ「教わりたいな…」と本音をこぼす。「感情のコントロール」を意識するようになり大学でレギュラーをつかみ、プロの世界へ飛び込む。広島だけでなく、代表で主砲を務めるスラッガーのメンタリティーを吸収し、スケールの大きな選手への飛躍を目指す。【前原淳】
広島尾形スカウト これだけ身長が高くて、足が速い選手は魅力。本人が言うスケールの大きな選手、柳田(ソフトバンク)ようになってもらいたい。即戦力? そのつもりで取っている。外野は打てないと出られない。足の速さは野間と同じくらい。あとはどれだけ打てるか。
★宇草孔基(うぐさ・こうき)★
◆生まれ 1997年(平9)4月17日、東京都生まれ。
◆球歴 小学1年、墨田リトルリーグで野球を始め、墨田シニアまで投手と捕手を兼任。「外(角球)の出し入れをやれるくらいコントロールが良かった」と自負する。常総学院では野手として1年秋からベンチ入りを果たし、3年春のセンバツでは甲子園で1試合5盗塁を記録。法大進学後、3年秋にレギュラーをつかみ、今春はベストナインに輝いた。
◆代表歴 高校時代の15年にU18日本代表入り、チームメートには広島高橋樹やドラフト1位明大・森下ら。今年の日米大学野球選手権大会では大学日本代表に選出された。
◆サザン好き 両親の影響を受けてサザンオールスターズが大好き。今、お気に入りの一曲は「栞のテーマ」。今夏ライブに行ったほどで「最高でした」と満面の笑み。
◆遠投110メートル、50メートル走5秒8。
◆サイズ 185センチ、83キロ。右投げ左打ち。
◆プロでの目標 トリプルスリー。
◆好きな言葉 「オール、オッケー」