西武が誇る山賊打線が、NPBアワーズを“ジャック”した。打撃タイトルは最高出塁率を除く5部門を獲得し、ベストナインに5人選出。野手陣から計6人が出席した。チームを束ね、最優秀監督賞を受賞した辻監督は「野手しかいない。それが物語っている」。打ち勝ってきた今季、最大8・5ゲーム差から大逆転劇でのリーグ連覇を遂げた原動力。打つべき人が打ち、走るべき人が走った。

秋山は3年連続4度目の最多安打を獲得し「うれしいというよりホッとしている」は本音。3番だった開幕当初こそ苦しんだが、5月以降はリードオフマンとして打開した。2番源田は遊撃での好守に加え30盗塁でベストナイン受賞。金子侑は41盗塁で3年ぶり2度目の盗塁王となり「勇気とスタートを大事にした」と成功率8割を超えた。

とどめをさしたのは2人の4番だ。序盤に本塁打を量産し5月まで63本ペースだった山川は、2年連続本塁打王を獲得した。8月に4番を入れ替わった中村は、山川を抜き去り4年ぶりの打点王に輝いた。山川は「4番も取られるし打点も超されるし嫌だなと思っていた。もう1回、中村さんと勝負がしたい」。中村も「こんなに意識されると、こっちも意識するしかない。また一緒に切磋琢磨(せっさたくま)していきたい」と受けて立つ。シーズン同様、晴れ舞台も山賊が盛り上げた。【栗田成芳】