ソフトバンク周東佑京内野手(23)が「足査定」で大幅アップを勝ち取った。3日、福岡ヤフオクドーム(福岡市中央区)内の球団事務所で契約交渉に臨み、年俸600万円から約3倍強となる2000万円(金額は推定)で契約を更改。育成選手時代の年俸330万円からは、6倍以上のジャンプアップとなった。

周東 話のほとんどは足でした。思ったよりは上げてもらいました。足は高い評価をもらいました。

足で駆け抜けた1年だった。育成1年目の昨季は2軍で盗塁王。今季は足をアピールし開幕直前に支配下登録されると「足のスペシャリスト」として102試合に出場。スタメンでも、代走でもチームに貢献し日本一へ。そしてプレミア12でも自分の足で1点をもぎ取ってピンチを救う活躍も見せた。「1年前からは想定していませんでした」と目を丸くする。

来季の目標は「プロ入り前からの夢」の盗塁王。「まずはスタメンで試合に出ること。打率2割5分打てば出塁率も3割5分になるでしょうし、そしたら盗塁王になれる」と青写真を描く。そのためにも「二塁手のレギュラー」が不可欠で、来季に向けた自主トレは「今宮さんに誘ってもらったので一緒にやりたい。守備も打撃も向上したい」と足以外のすべてのレベルアップを求める。

プレミア12での世界一をお土産に、宮崎での秋季キャンプに数日間、参加した。あわただしい日程だったが「平石コーチにいろいろ聞くこともできたし、いいなと思うこともあったし、いろいろ試したい」と打力向上のヒントもつかんだ。

三笠取締役GMも「足は評価しました。あとはインパクトのあるプレーも見せてくれた」と説明した。「二塁手レギュラー」からの「盗塁王」へ。「100安打打てば、50盗塁のチャンスはある。あとはどれだけ四球をもらえるか…」。周東のシンデレラストーリーは始まったばかりだ。(金額は推定)【浦田由紀夫】

▽ソフトバンク周東のコメント「足だけでしたが、思ったより評価してもらいました。1年前にはこんなことになるとは想定もしていなかった。来年は内野手としてレギュラーをとって、打率2割5分を打って出塁率3割5分をやることができれば、盗塁王になれるのではないか。自主トレは今宮さんと一緒にして、内野守備を鍛え直して、打撃も向上させて、盗塁王は狙っていきたい」

◆過去の主な快足選手の大幅昇給 藤村大介(巨人)は1軍デビューしたプロ4年目の11年に28盗塁を決め、実働1年目にしてタイトル獲得。前年640万円から2400万円へと、275%の大幅アップを勝ち取った。08年福地寿樹(ヤクルト)も42盗塁をマークして盗塁王となり、3100万円から8000万円への158%増となった。