41歳シーズンも50試合登板! 阪神能見篤史投手(40)が11日、兵庫・西宮の球団事務所で契約交渉に臨み、今季年俸1億1000万円から1500万円減の9500万円でサインした。今季は51試合に登板して防御率4・30。「自分が思っているよりは出来なかったですし、数字的にもいいとは言えないので、やはり戦力としては物足りないかな」と評価を受け止めた。

プロ15年目で初めて1シーズンを中継ぎとして過ごし、満40歳以上のシーズンで50試合登板はNPB史上2人目の快挙だった。それでも「本当に不完全燃焼というか、そういう思いは強い」と表現した。

先発として調整したこれまでと異なり、昨オフは中継ぎを意識して投げ込みを減らした。「自分が思い描いた通りには、うまく体も動かなかった」。新たな調整法はしっくりこなかった様子。今オフは先発の時と同様に投げ込む球数も増やしていく方向だ。「急激に落ちるということもなかったですし、体自体は元気なので動けるし、そういうところはあまり心配はしてない」。40歳を迎えてもまだまだ体は元気。完璧な調整が出来れば、来季はよりフル回転出来そうだ。

40歳以上で2年連続50試合登板となれば史上初。「投げられたらいいかなとは思いますけど、後はしっかり戦力になれるようにというのは大事かなと」。ただ到達するだけでなく、勝利への貢献が一番。「使い勝手のいい方向でいいのかな」。中継ぎとしてフレキシブルに、ベテランの味を出す。(金額は推定)【磯綾乃】

○…能見は契約更改前に、西宮市内の子育て総合センター付属あおぞら幼稚園で玩具の贈呈を行った。14年から続けているチャリティー活動で、子どもたちと触れ合った。「続けられることに本当に意義がある。投げていけば貢献度は上がっていくので、本当にそうやって出来ればいいなと思います」と感慨深げだった。

▽阪神谷本球団副社長兼本部長(能見について)「(年俸ダウンは)中身ですね。昨年と比べたら投げる場面、数字的にも落ちましたし。そこは能見君自身も、調整がうまくいかなかったところがあり、自主トレから立て直すと言ってくれている」

▼プロ野球で満40歳以上のシーズンに50試合以上登板したのは、43歳の岩瀬仁紀(中日)の17年50試合のみ。岩瀬は44歳となった翌18年もフル回転したが、48試合に終わっていた。阪神では若林忠志が、40歳の48年に48試合、41歳の49年に43試合登板と、それぞれ50試合に迫った例がある。