目標は投手タイトル全冠です!? 阪神西勇輝投手(29)が15日、大阪市内で米スポーツブランド「オークリー」のイベントに梅野とともに出席し、トークショーで来季目標を問われて「タイトル」とボードに力強く書き込んだ。その上で「ここを目指せば、必然的に成績は上がるかなと。取れたら全部、取りたい」と言い切った。

オリックスからFA移籍した今季はチームトップの10勝を挙げ、自己最長の172回1/3を投げた。先発投手主要の防御率、勝率、勝利数、奪三振数でリーグトップ10にランクイン。新たな環境で戦った1年目を「あっという間でした。毎日がすごい早かった」と振り返った。ただ、5月中旬から8戦勝ち星なしと苦しんだ時期もあり「もうちょっと、できたかなと。数字的には70、80(%)ぐらいです」と完全燃焼とはいかなかった。言葉を裏返せば成績を伸ばす余地を残していたわけだ。4部門を取れればゴールデングラブ(GG)賞、ベストナイン、沢村賞と合わせて球界の主立った「7冠」の可能性もグッと上がる。

普段、西勇はタイトルなどの目標はめったに口にしない。それでも、マウンド上で笑顔を絶やさないポジティブさで宣言してみせた。トークショー後もその熱は冷めず、語り続けた。「タイトルを取る。それくらいの気持ちで頑張りたいなと。常に前向きでいたいし、いるべきだと思います」。プロ11年でコンスタントに活躍を続けるが、意外にも無冠。「そういう気持ちはプロに入ってからもずっと思っていました。取れる成績を残したいというのは誰もが全員、思っていること」。エースがタイトルを総なめした時、チームの悲願へ視界もおのずから開ける。【奥田隼人】

○…梅野も西勇のポジティブさを見習っている。トークショーでは、1年間バッテリーを組んで互いに印象に残る言葉は? という質問が出た。2人の回答は「大丈夫」という言葉で一致。マウンド上の西勇はピンチの場面でも「大丈夫、大丈夫」といつでも前向き、と梅野は明かした。「『できないとかはない』という感じで、前を向いてやるという発言がすごい多い。今後の、自分の人生の中でもすごい勉強になる」と、その姿勢に感心していた。