日本ハムのドラフト4位鈴木健矢投手(22=JX-ENEOS)が“希少性”を買われ、対外試合デビューが決まった。

17日、沖縄・名護の1軍キャンプに合流。最速147キロの変則サイド右腕は、19日広島との練習試合(名護)にワンポイントで起用される見通し。18日は初めて1軍ブルペンで調整し、晴れ舞台に備える。

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変則サイド右腕が、晴れ舞台への切符をつかんだ。鈴木健が、首脳陣のハートを射止めた。17日、沖縄・名護の1軍キャンプに合流。「まさか、このタイミングで上げてもらえるとは思わなかったので正直、驚きました」と目を丸くさせた。もう1つ、サプライズがある。順調なら19日広島との練習試合(名護)で登板予定。打者1人か2人にワンポイントで対外試合デビューを飾る見通しで、開幕1軍のアピールチャンスが巡ってくる。

実戦デビューが鮮烈だった。1・2軍合同の15日紅白戦(国頭)で、1回を3安打3失点も、沈み込むように横手から力強いボールを放る姿は強烈なインパクトを残した。ドラフト1位河野とともに1軍合流を決めた栗山監督は「何か1つ、オリジナリティーがあるので呼んだ。チームにいない球の軌道」と、ほれ込んだ様子。木田投手コーチは「スカウティングをやっていた時から見ていたけど、フォームを含めて良くなっている」と成長を評価した。

この日の1軍初練習では、緊張感たっぷりに主力野手とのサインプレーに臨んだ。「1軍の方がピリピリしている」という雰囲気を味わい、慣れようと食らいついた。18日はブルペンに入り、最終調整する予定。「投げっぷりの良さ、若々しさをアピールしたい。形うんぬんより結果が大事かなと思います」。ルーキーイヤー、最高のスタートを切るため力いっぱい、右腕を振る。【田中彩友美】

◆鈴木健矢(すずき・けんや)1997年(平9)12月11日、千葉・袖ケ浦市生まれ。8歳から競技を始め、木更津総合、JX-ENEOSを経て19年ドラフト4位で日本ハム入団(背番号47)。高2秋にサイドスロー転向、15年春甲子園は岡山理大付との1回戦8回から2回無失点でチームを春44年ぶり勝利に導いた。17年アジア選手権代表。176センチ、82キロ。右投げ左打ち