阪神ドラフト1位の西純矢投手(18)が2月29日、岡山市内の創志学園高で卒業式に参加した。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、卒業生と教職員だけで行われ、クラス代表の生徒以外は中継映像を教室で見る形となった。

2年夏の甲子園に出場し、3年ではU18ワールドカップ(W杯)に出場。華やかな実績の一方で1年秋には父雅和さんを45歳で亡くした。悲しい別れを乗り越え「幼い考えを昔はしてたんですけど、今はしっかりと自分でいろいろなことを考えてできるようになった」と3年間を振り返った。

昨年はOBの巨人高田が母校で行った講演を聴いた。「自分もそうやって、後輩に自分の経験とかを話せるようになれたら」。高校での全ての出来事が西純を成長させた。プロで活躍し、今度は「1日先生」として自身の経験を伝えるつもりだ。式後にはチームメート約30人に囲まれて笑顔で記念撮影。「20歳、25歳ぐらいになったら、みんなで集まって食事でもできたらいいなと」。中川隆太部長を中心に仲間とそう約束した。「エースになっていたいと思いますし、柱というか、そういった投手になりたい」。つかの間だった球友との再会。阪神の中心選手として凱旋(がいせん)し、お酒を片手に昔話をする日を夢見て、再びプロの世界に戻っていった。【磯綾乃】