地元じゃ負け知らずだ。静岡・小山町出身の楽天鈴木大地内野手(30)が7日、静岡・草薙球場でのオープン戦中日戦で勝ち越し2ランを放ち、ロッテからFA移籍後1号をマークした。静岡で予定される8試合中5試合を終え12打数8安打、打率6割6分7厘。圧倒的な数字を残し、新天地での開幕へ順調な調整ぶりを示した。

華麗にフォロースルーを取り切った。同点の1回2死二塁。中日の開幕投手、大野雄に2球で追い込まれたが「食らいついていこうと思った」。真ん中高めへ抜けた速球を逃さず、右翼席中段へたたき込んだ。3回1死一塁は右前打、5回1死では中前打。「たまたまホームランという形になった。2、3打席目はつなぐことができて、いい内容の1日を送れました」。1発からチャンスメークまで状況に応じた役割を果たした。

ユニホームが変わっても鈴木大地は変わらない。オープン戦は16年から4年連続で打率3割を超える。今季もここまで25打数で12球団トップタイの11安打を放ち、打率も4割4分。例年通りの好調ぶりを誇る。環境の変化にも柔軟に対応。春季キャンプでは練習の合間に裏方へ「暑いから飲んでください」とペットボトルの水を配る“神対応”も変わらずに見せていた。

打順は2、5番、守備では三塁、一塁、左翼についた。光る万能力はチームにとって欠かせない。「結果が出ているので調子は悪くないと思いますが、おごることなく1日1日を大事に過ごしていきたい」。いつもと変わらず謙虚に、頼もしく前を見据えた。【桑原幹久】