新型コロナウイルス感染が拡大し、プロ野球界が開幕できない異常事態となっている。ソフトバンクナインも“無期限”の活動休止となった。日刊スポーツは4月から随時連載「期待しタカ」と題して、担当記者による応援企画をスタートします。第1回は甲斐。昨年ロッテ打線に打ち込まれたデータを分析。悔しさをバネに来る今シーズンでのリベンジに期待する。

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昨シーズン、ロッテには痛い目にあった。対戦成績は8勝17敗。特にZOZOマリンのビジターでは2勝10敗と大きく負け越した。そんな嫌なデータは払拭(ふっしょく)したい。そこで「期待しタカ」とは、投手をリードする役目の甲斐。ロッテの強力打線を封じるのは投手だけの踏ん張りではどうしようもない。正捕手である甲斐のリードでしっかり封じ込めてもらいたい。

昨年の対ロッテの本塁打に関するデータを分析すると大きな特徴が見える。

◆19年対ロッテ被弾 25試合中、被弾された試合は19試合で計36本塁打を浴びた。その内訳はソロ19本、2ラン13本、3ラン2本、満塁弾2本。ソロ以外が17本で割合は5割近い。パ・リーグ5球団と比較すると被弾数36本、被弾した試合19試合、ソロ以外の本数17本はすべてワースト。ロッテに本塁打を多く許し、さらに走者を置いた場面での被弾がもっとも多いことになる。ロッテで3本以上本塁打を放った選手を個人別にみると

選手 総数(ソロ以外)

井  上  8(5)

レアード  8(6)

中 村奨  5(0)

清  田  3(2)

角  中  3(2)

マーティン 3(1)

満塁弾2本はともにレアードに打たれるなど、中軸打線に多く打たれていることが分かる。

このあしきデータを克服するのはどうしたらいいか。甲斐自身もこう分析している。「中軸に打たれている。それも走者を置いて打たれている印象がある。やっぱり、中軸の前に走者を出さないこと。大きなケガにならないために大事ですね」。今年はホークスから移籍した福田秀が1番に座る可能性が高い。福田秀を封じこめること、それは中軸の前に走者を置かないことになる。もちろん、ソロでも本塁打を打たれることはいけないが、大きな失点は防げる。

「どう抑えるかは詳しくは言えないが、本塁打を打たれないようにリードしたい」。打撃向上を目指し、ここまでバットでは結果を出してきた甲斐。「本業」でもある女房役としての仕事にもぜひ期待したい。【ソフトバンク担当・浦田由紀夫】