日本ハム中田翔内野手(30)が3日、シーズン開幕の再延期が決まった現在の心境を明かした。自主練習を行う札幌市内の合宿所でオンライン取材に対応。国内でも新型コロナウイルス感染拡大が進む現実を受け止めながら、社会全体で乗り越える必要性を訴えた。キャンプ時のように肉体を追い込みながら、万全の準備を整えていく。チームは、4月中を自主練習期間とすることに決めた。

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厳しい現状を目の当たりにした中田が、等身大の思いを明かした。「本当に、どうしようもない状況にとうとうなってきた。今、この苦しい時期をみんなで乗り越えるしかないと思っている」。本来ならシーズンは開幕して序盤戦の真っ最中だった。グラウンドで野球ができないもどかしさも感じながら、複雑な心境を吐露した。

新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け、12球団代表者会議で開幕の再々延期が決定した。「さすがにね、プロ野球選手の中でも感染者が出てきたのでね。心配であったり、戸惑いであったり、そういうことは出てきている」。見えない敵との闘いは人ごとではなく、不安な状況は続いている。「現時点では感染しないように、かからないように、しっかり気をつけるだけだと思う」と手洗いやうがい、こまめな消毒などの感染防止に努めている。

プロ13年目だが、このような事態での開幕延期は初めての経験となる。調整の難しさも感じているが、できる限りの練習を進めている。「打撃の方も数を振れている。ウエートも今、重いのをガンガン上げていますし、しっかりと体を張らしてあげる作業に、一から入っている感じ」。現状は春季キャンプ時のように再度、肉体を追い込みながら自主練習期間を過ごしているという。

アスリートとして、野球人として、1日も早くファンの前でプレーする日を待ち望んでいる。「ファンのみんなのためにも、開幕がいつになるか分からないですけど、しっかり準備したい。開幕と言われた時に最高のパフォーマンスを見せられるように。僕らからしたら野球しかない。開幕してから良いスタートを切れるように、その中でみんなを喜ばせてあげることができるようにしたい」。開幕を心待ちにするファンとともに、我慢をしながら、球春到来を待つ。

○…日本ハムは、4日以降の自主練習で、これまでは選手らの練習をサポートしてきた打撃投手らチームスタッフの参加を取りやめる。札幌市内の球団事務所で取材に応じた吉村GMは「栗山監督とも話をして、選手のコンディショニングを信頼しているということだった。(選手にも気持ちを)リセットしてもらう」と説明。当面はオフ日の設定も選手に任せ、開幕日が決まった段階で全体練習再開日を再設定する予定。