悔しさを抑えきれなかった。ソフトバンク岩崎翔投手は一塁側ベンチに戻ると、グラブをベンチにたたきつけた。2戦連続で逆転被弾。前夜(26日)に悪夢の逆転満塁弾を浴びた右腕が、リベンジの登板となった7回、2死から連打を浴びた後に山川への初球146キロ直球を中越え3ランされた。大粒の汗をぬぐうことなく、岩崎はグラウンドの1点を見つめていた。

工藤公康監督は「彼(岩崎)に任せて抑えてもらって(前日の)悔しさを晴らしてほしいと思った」と言葉を絞り出した。今後の起用法について「今のところ(セットアッパー)が本人的にきつければ考え直すこともある」と変更を示唆した。

5割復帰の展開が借金2となったが岩崎だけを責められない。開幕して8戦で9発を浴びた。そのうち、ソロはわずか2本。2ラン2本、3ラン2本、満塁弾3本。走者を置いた場面での痛い1発が目立っている。対西武5戦でも7被弾。山川にはこの日の逆転弾を含めて4発を許した。注目された今季序盤の大一番6連戦は「山賊打線」に打ち込まれている。

工藤監督 開幕して1週間少しで見えたところも、まだつかめてないところもある。選手は頑張っている。僕ら(首脳陣)も得点力を上げたり、失点を減らすようにしっかり考えないといけない。

この日、柳田を2番に置く「超攻撃打線」で柳田の先制2ランを含め、3回までに7得点。最大5点のリードを守れなかった。「借金は減らして常に5割以上の状態にもっていかないといけない」。まずは6連戦の最後を取り、負け越しを阻止する。【浦田由紀夫】

▽ソフトバンク和田(今季2度目の先発で3回5失点)「早い回から野手のみんなが点を取ってくれたのに、本当に申し訳ない。その言葉しかありません」

▽ソフトバンク高橋礼(2番手で3回無失点の粘投)「長いイニングを投げる準備はいつもしている。長打のあるバッターが多いので少し慎重になってしまった。反省しないといけない部分はありますが、次の登板でも自分らしい投球をしたい」