日本記録がストップした。日本ハム公文克彦投手(28)が、オリックス5回戦(京セラドーム大阪)の同点の8回、4失点し、通算183試合目でプロ初黒星を喫した。13年のデビューから続けてきた連続試合無敗記録は「182」で止まった。

3カード連続の負け越しとなったチームは、今季ワーストの借金4となり、オリックスと並んで最下位に転落した。

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公文はボールを握りきれなかった。同点で迎えた8回1死二、三塁。吉田正の高く跳ねたゴロを捕球したが、ファンブル。約1秒のタイムロスが勝敗を分けた。野選で決勝点を失い、通算183試合目で記録された初黒星。「自分のミスで点を取られたので。記録は、それほど意識はしていなかった」と振り返った。

巨人時代の13年、9月のヤクルト戦でマウンドに上がってから、チームに貢献し続けてきた。17年に日本ハムに移籍すると、さらに存在感は増した。昨年8月29日の西武戦で巨人高木を抜き、“日本一の負けない男”となった。昨季は自己最多の61試合に登板。リードや同点の展開でもマウンドに上がり、結果を積み重ねてきたが、コロナ禍で異例のシーズンとなっている今季、偉大な記録が止まった。

公文以外にも、ミスが目立った。1回の失点は、先発金子の暴投。攻撃でも7回2死一、三塁で、一塁走者の宇佐見がディレードスチールを仕掛けた際、一、二塁間で挟まれてタッチアウトになった。ダブルスチールで三塁走者・石井の本塁生還をアシストする狙いだったが、先にアウトになり、勝ち越し機を逸した。

なかなか思い通りの野球が展開できていない現状に、栗山監督は「みんな悔しい思いをしている。やられたらやり返すだけ」と言葉を絞りだした。勝ちパターンの一員として投げ続けてもらわないといけない公文も「また明日から切り替えていきます」と前を向く。 シーズンの6分の1を消化し、7勝11敗2分けで借金4。順位はオリックスに並ばれて5位タイ。もう、上を向いて戦うだけだ。【木下大輔】