阪神近本光司外野手(25)が、ガルシアの初勝利をアシストした。

今季最長の10試合連続安打となる5度目の猛打賞に自慢の快足も披露。先制&中押し&ダメ押しを演出する大活躍だ。

まずは初回、速攻パンチの足がかりを作った。「1番中堅」で出場。先発井納の内角低めスライダーをうまくすくい上げ、右中間を破る二塁打。犠打で進塁後、3番サンズの犠飛で先制のホームを踏んだ。

7回は自慢の快足を飛ばし、“1人”で追加点を奪った。1死から左腕エスコバーのスライダーを捉え、一塁線を破る今季初の三塁打をマーク。そして2死後、3番サンズの3球目だった。投球を捕手高城が三塁側へそらす間に、本塁突入。隙を見逃さない積極走塁で生還し、リードを3点に広げた。

2点差に迫られた9回無死一、二塁では、2長打から一転、バットを寝かせてセーフティーバント。打球を処理する平田を慌てさせて内野安打をもぎ取り、一挙5得点を呼び込んだ。3安打3得点に「塁に出てホームにかえってくることが自分の仕事だと思っていますし、今日はそれができて良かったです」とにっこり。矢野監督もリードオフマンぶりの発揮に「チカの足も生きた」と目を細めた。

8月の近本はもう、誰にも止められない。同月に入って連続試合安打を続け、同学年のDeNA4番佐野とトップを争う月間打率も、4割2分9厘で首位をキープ。一時打撃最下位だった打率は、昨季の2割7分1厘を更新して2割8分に上げ、13位まで浮上した。

厳しい猛暑もしっかり食べて、夏バテを防ぐ。開幕前の4月、腸炎となって一時体重が落ちた。回復後は3食に加えて間食も挟み、体重を少しずつ戻した。食が細くなりやすい夏場のシーズン中も、「しっかり自分に合った量を食べること」を意識。開幕後の不調を取り戻すように、8月は安打を量産している。

昨季は球団の新人記録を更新する13試合連続安打を放ち、背番号5は勢いに乗ったら止まらない。記録をどんどん伸ばし、頼もしくチームをけん引していく。【奥田隼人】

▽阪神井上打撃コーチ(4出塁の近本に)「チカが出て、かき回してクリーンアップでかえす形をうちの野球として定着させないといけないから。チカの今日のような仕事はこれからも必要不可欠です」