楽天涌井開幕7連勝、太田と“共同作業”で危機脱出

  • 西武対楽天 5回裏西武2死一塁、リクエストの結果を待つ間、マウンドで話し込む楽天の涌井(右)と捕手太田(撮影・足立雅史)

<西武2-6楽天>◇12日◇メットライフドーム

名投手が名捕手を生む。16年目の楽天涌井秀章投手(34)が2年目の太田光捕手(23)とのバッテリーで7回途中2失点。自身初の開幕7連勝を果たした。右足をつりかけるアクシデントもあり、連続無失点は21イニングで途切れたが、安定感は抜群。太田も先制打に2号2ランと2安打3打点。女房役がバットでもリードした。チームは2連勝で貯金を7とし、ソフトバンクとの同率首位を守った。

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“夫婦”共同作業で切り抜けた。3点リードの6回1死一、二塁。フルカウントの6球目。涌井がクイックモーションを始動すると一、二走はスタート。打者の西武栗山は外角チェンジアップで空振り三振。すかさず捕手太田が三塁へ送球。間一髪で三盗を阻止。併殺を完成させた。「最高の結果になった。太田も素早く三塁へ投げて、思った以上の結果になった」と涌井。右腕が小さくうなずくとサングラス姿の女房役も首を縦に振り、呼応した。

円満の秘けつは密なコミュニケーションにある。この日も含め140個の白星を積み上げた涌井は“妻”へ居心地のよさを求める。「ピッチャーというのは自己中な生き物。ある程度気持ちよく投げさせてもらうことが一番いい」。西武では炭谷、ロッテでは田村と主にバッテリーを組み、あうんの呼吸を重ねた。

16年目で迎えた新居で、正捕手を狙う2年目の太田に巡り合った。心の距離を縮めるために意識付けたのは、あいさつ。「球場に来たらまずは『おはようございます』。朝のあいさつなしに、帰る時に『お疲れさまでした』はないよ」。アスリートである前に、人としての基本を説いた。

この試合、何度もサインに首を振った。「今回は首を振ることも多かったが、お互いにいろんな意見を交換しあっていけば、変わるかなと思う」。太田も「涌井さん自身を生かす組み立て方を今日も首を振って教えてくれる。勉強になります」と理解する。夫婦げんかとなる前に、意見のぶつけ合いを怠らない。

女房役は2回に先制中前適時打、4回に18試合ぶりの1発となる2号2ラン。「涌井さんを援護できて良かった」とバットでもリードした。まだ8試合のバッテリー。手を取り合い、ハッピーエンドへと歩を進める。【桑原幹久】