“キャプテンシマウチ”が連夜の輝きを見せた。楽天島内宏明外野手(30)が21日、日本ハム10回戦(札幌ドーム)で先制適時打を放ち、7試合ぶりの白星をつかんだエース則本昂大投手をバックアップした。

今季から主将を務める茂木栄五郎内野手が前日の自打球の影響で欠場。三木肇監督から試合前にフィールド主将を任された。前日20日には9回2死から起死回生の同点3ラン。チームはソフトバンクを抜いて2位に浮上し、首位ロッテを0・5差で追う。

   ◇   ◇   ◇

胸に「C」マークがなくとも、島内がチームのために気持ちを込めた。0-0の6回2死一塁。日本ハム玉井のカーブを捉えた。左中間を真っ二つ。一走浅村をかえした。「来たボールを打てと打撃コーチから指示があったので、来たボールを打ちました。キャプテンとして言動では引っ張れないので、結果が出せて良かった。浅村さんナイスラン」。先制適時二塁打で、試合の均衡を破った。

試合前の野手ミーティングで、星稜時代以来の大役を任されていた。今季から主将を務める茂木が前日の自打球の影響でベンチ入りしたが、スタメンから外れた。島内は三木監督からフィールド主将を任命された。「なぜだか分からないんですが…」。テーピングでユニホームの胸に主将の証しとなる「C」マークをつけようと思ったが、周囲に止められると思い、やめた。「声で引っ張るタイプではないので、声はみんなにまかせて特になにもしていないです。今日はたまたまプレーで引っ張れましたが…」と遠慮気味だ。

ただ、グラウンドでは遠慮はない。西武との前カードでは24打数8安打、打率3割3分3厘と好調。今カードも17打数7安打、打率4割1分2厘と右肩上がりに打ちまくる。前日20日日本ハム戦でも9回2死、カウント1-2から起死回生の同点3ラン。「メットライフドームと比べたら札幌ドームは涼しいので、好結果につながっていると思う」。歯車がかみ合い、要所で仕事を果たす。

三木監督も「本来は茂木ですけど、フィールドのキャプテンというところで頑張ってくれた。茂木も心強かったと思う」と自ら任せた大役を担った島内をたたえた。「いつも茂木が頑張ってくれているなと感じたので、もっと茂木を支えていけるように頑張っていきたい」。1人では戦えない。チーム全員で勝利をつかむために“キャプテンシマウチ”が必要だ。【桑原幹久】