今季限りでの現役引退を表明した楽天久保裕也投手(40)が7日、オンラインでの引退会見を行った。

ユニホーム姿で登場。「私久保裕也は、18年間の現役生活を終え、引退することを決意しました。イーグルスに来て、4年間、本当に思い切り野球を楽しむことができました。感謝の気持ちでいっぱいです。いろんな思い出がありますけども、18年間野球を楽しむことができて本当に幸せだと思います。本当にありがとうございました」と冒頭にあいさつした。

引退の理由については「なかなか結果を出せずに自分の力の衰えを感じましたし、いろんな話をさせてもらって、自分の力の限界を伝えて引退することを決めました。イーグルスに来た時にイーグルスで引退すると決めたので、迷うことなく決められました」。

02年に巨人へドラフト自由枠で入団。「プロ入った時はすごく練習が嫌いで、毎日いかに楽をするかを考えて野球をやっていた。でもすぐにぼろが出た。内海とか山口(鉄也)とか、かわいがっていた後輩に一瞬にして置いていかれるようなシーズンが続いた。あと何年やれるかなと07、08年くらいから思っていた」と振り返る。

転機は2010年。「木村拓也さんが亡くなったこと。そこが僕の大きく気持ちが変わったというか、もやもやしていたものが吹っ切れた瞬間でした」と涙を浮かべた。「本当にいろんなことを相談させてもらって、便利屋の生き方というか何でもできることの強み、それを教えてくれた人でした。野球に対して真剣に取り組めるようになりましたし、やりきったと胸を張って今なら言えます」と涙をぬぐった。

15年オフにDeNAへ移籍した。「もう何も失うことはないと思って1年間野球をやったんですけども、それでもやっぱり野球をやりたい、という思いが諦めきれなくてイーグルスに入って、もう野球を失ってもかまわないと思ってから野球に対してより真剣に取り組むこともできました」。

17年から楽天に入団した。右手指の血行障害の影響もあり、同年オフに育成契約となるが18年5月に支配下契約に返り咲いた。

同世代の「松坂世代」で現役を続けているのは西武松坂、ソフトバンク和田だけ。「1年でも長く、自分が納得いくまでやってほしいと思う。いつか必ずやめるときが来る。その時にお疲れさまと言ってあげたいと思います」とエールを送った。