目標は“ポスト西川”だ。日本ハム松本剛外野手(27)が9日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、300万円増の2100万円でサインした。中堅のレギュラーで元盗塁王の西川遥輝外野手(28)が、米球界へ移籍する可能性が高まる中、今オフは「走れる3割打者」を目指して、自己改革に着手。自己最多20盗塁と打率3割超で、中堅の定位置奪取を目指す。(金額は推定)

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日本ハム松本が「2つの武器」を手に入れるため、大勝負に打って出る。契約更改交渉後の記者会見。来季へ向けて「思い切り勝負して、センターというポジションを狙っていきたい」と宣言した上で「打たないと勝負にならない。打つことをメインで考えているけど、もう1つ、走りたいなと」とプロ10年目の改革を口にした。

目標とする数字は、20盗塁と打率3割超。これまでの選手像を変える一手で、中堅の定位置争いをリードする。帝京からドラフト2位で入団。115試合に出場した17年、1度は手に入れかけた定位置だったが、その後は、高い打撃レベルを誇る外野陣に割って入ることが出来なかった。主に代打や守備固めで、今季84試合と出場数こそ自己最多に次ぐ成績を残したが、もちろん満足はしていない。飛躍のために「走れる3割打者」を目指すと決めた。

背中を押したのは、入団時から慕う西川が、ふと漏らした言葉だった。「『レギュラーの選手には、少なくとも2つ、秀でているものがある』と。確かに、そうだなと感じる」。これまでは、17年の6盗塁が最多。「高くはなかった」という盗塁への意識レベルを引き上げて、今オフは瞬発力の強化など土台作りに励むつもりだ。

今季のチームは、リーグで2番目に少ない80盗塁。そのうち42盗塁は西川が稼いだ。米球界挑戦で西川の退団が決まった場合「(チーム盗塁数は)ガクンと下がる」と、危機感を抱く。「僕は足がめちゃめちゃ速いわけじゃないけど、盗塁は技術が身に付けば出来るようになると思うし、そこに対しての欲がある」。球団からは「来季はレギュラーを」と、期待された。新たなプレースタイルを確立し、師事した先輩に恥じない姿を結果で示す。