日本ハム田中賢介スペシャルアドバイザー(SA=39)が22日、同学年の鶴岡慎也捕手兼バッテリーコーチ(39)に「泥くさい40歳」として躍動することを求めた。来季の活躍とともに、23年春開業予定の「エスコンフィールド北海道」でのプレーを厳命。81年世代のラストプレーヤーになることとともに、自ら理事長を務める「田中学園立命館慶祥小学校」で導入予定の情報教育プログラムへの波及効果にも期待した。

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田中SAは同じ81年生まれで来季は不惑を迎える鶴岡に、愛情たっぷりのげきを飛ばした。「まだね、通過点ですよ。彼にとって、40歳での現役は。そもそも、ドラフト8位で入っているハングリーさとしぶとさを存分に生かした『泥くさい40歳』を見たいし、ここぞの時にしっかり結果を出せる兼任コーチであってほしい」とハッパを掛けた。

15歳で知り合い、付き合いは来年で四半世紀。実力、人柄をよく知るからこそ、まだまだ現役を続けられると太鼓判を押す。球界で同世代の現役選手は阪神糸井、ヤクルト青木ら6人だけ。鶴岡には「新球場までは最低やってもらわないといけない。僕らの世代で一番長く野球をやってほしい」とメッセージを送った。

鶴岡も覚悟ができている。来季へ向けて「(栗山)監督に(自分を)使わないと勝てないと思わせるしかない」と闘志は衰えない。また、ソフトバンクから復帰後の3年間は優勝を逃す現状に「それが一番、悔しいところ」と古巣でもある宿敵を倒して覇権奪回することが北海道への恩返しと自負している。

そんな鶴岡の活躍は、田中SAが目指す教育の一翼を担う可能性もある。この日は理事長として22年4月に札幌市内で開校する「田中学園立命館慶祥小学校」で導入予定の情報教育プログラムについて、札幌市内で会見を開いた。「世界に通用する12歳」がコンセプトの同小学校では新聞などを使った授業を展開し、デジタル社会を生き抜くための情報教育プログラムを導入する予定。田中SAは「情報化社会の中で情報の正しい使い方を教えていきたい。(校内には)スポーツ新聞も、もちろん置きます」と話した。開校する22年シーズンに鶴岡が活躍すれば、子どもたちが新聞を手に取るきっかけとなるかもしれない。「それでいいと思います」と田中SAは「泥くさい40歳」に期待した。【木下大輔】