歓喜をもう1度-。“月間首位打者”の楽天岡島豪郎外野手(31)のバットが試合を決めた。「日本生命セ・パ交流戦」DeNA戦の7回2死二、三塁で、石田から右翼線へ決勝の2点適時三塁打。規定打席未到達ながら打率は3割5分5厘、さらに5月の月間打率はリーグトップの3割9分8厘と絶好調だ。この日はイーグルスガールデー。13年に日本一を味わった男が、多くの女性ファンを盛り上げた。

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岡島が、ピンク一色のスタンドを沸かせた。同点の7回2死二、三塁。石田の落ち球を片手で拾い右翼線へ。前進守備の隙をつき、ピンク色の三塁上で右拳を突きだしほえた。「その前のチャンスで凡退していたので、何とか食らいついて結果がついてきて本当によかったです」。5回2死一、三塁では左飛に倒れただけに、満面の笑みをみせた。

快音が止まらない。5月は83打数33安打、打率3割9分8厘、11打点で“月間首位打者”に立つ。今季通算でも3割5分5厘。規定に34打席足りないが、オリックス吉田正の3割4分7厘を上回り“隠れ首位打者”に位置する。

好調の要因には「分かったら教えてもらっていいですか?」と笑いながら「金森さん、(渡辺)直人さん、鉄平さんに話を聞きながらいい方に向かっている」と打撃コーチの存在を挙げる。試合前のティー打撃でフォームを微調整しながら、打席にはシンプルな思考で入ることを心がける。「打てなくても、その打席は帰ってこない。変に気にしすぎてもダメ。ちょうどいい感じで今はできている」と自然体が功を奏す。

酸いも甘いも知るからこそ、優勝への思いは人一倍強い。「若手も(優勝を)経験することで考え方、戦い方も変わってくる。また違った思いで優勝を経験したい」。2年目の13年に日本一に貢献。だが19年に左肩、左肘を手術。同年はプロ初の1軍出場なしに終わった。今季は開幕2軍スタートも4月10日に初昇格。浅村、島内に次ぐ5番打者を託された。

この日は女性ファンへ向けたイベント「イーグルスガールデー」。乃木坂46の久保史緒里が始球式を務め、ピンク色の限定ユニホームも配布された。このイベントは今回が5度目で4勝1敗。岡島は逆転の決勝打を放った17年以来、同イベント日2度目のお立ち台に立った。女性ファンからの人気も高いプロ10年目の31歳が、チームを支えている。【桑原幹久】

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