肥後生まれの侍が、筑前の地で“天下統一”を果たした。ヤクルト村上宗隆内野手(21)が、2回、19号ソロを放ち、12球団すべての本拠地で本塁打を記録した。ソフトバンク石川との真剣勝負。初球から4球続けて見逃した。「オープン戦でもやっていますし、その前のイニングも見てますし。ある程度はイメージできたので思い切っていった」と直球を狙い、真ん中に入った146キロ直球を右翼ポール際中段に運んだ。

バットで戦うことを生業として4年目。18年江戸・神宮でのプロ初打席初本塁打から3年。前日10日は下総・ZOZOマリンで18号ソロを放ち、11球団から本塁打を達成。長距離遠征後の疲れを見せず「九州の空気はおいしい」。故郷の近くで、最後の敵を討ち取った。

ペナントを争う戦国の世で武勲を立て続け、リーグ本塁打2位の巨人岡本和に2本差をつけ頂点の座を維持している。打撃タイトル獲得を掲げる今季、有言実行とするため、バットでチームの勝利を引き寄せる。まだ21歳の若武者。“村上天下”はまだまだ続く。【湯本勝大】