阪神秋山拓巳投手(30)は6回4安打2失点も、親交のある「ティモンディ」に白星を届けることはできなかった。

「相手に先制点を与えてしまい、リードされている状況でマウンドを降りてしまったので悔しいです」。

序盤は、巨人打線をすいすいと抑えた。初回は7球で3者凡退の立ち上がりを見せると、3回まで無安打無失点。「真っすぐが少し散らばっていたので、それをうまく利用して試合は作ることができたと思います」。この日の最速は140キロ。130キロ後半の直球を軸にカーブやカットボールなどを織り交ぜ、的を絞らせなかった。しかし6回に1死一塁。松原に内角への直球を捉えられ、痛恨の先制2ランを浴びた。

4番岡本和、5番坂本はともに3打数無安打に抑え込むなど、安定感ある投球を見せたが3敗目。矢野監督は「1球1球に対する意識も高い投球を、梅野ともいい呼吸でピッチングをしてくれた。ホームランは避けたかったですけど、これも勝負なので。仕方がないと思います」と、好投の右腕を責めなかった。

この日はお笑いコンビ「ティモンディ」がファーストピッチセレモニーに登場。西条出身の秋山と、済美出身で1学年下のティモンディの2人は、09年夏の愛媛大会決勝で対戦した経験もあり親交が深い。高岸は秋山が贈ったグラブを使用し、秋山を意識した雄たけびとともに、139キロをたたき出した。「このまんまの勢いで、皆さんに勇気与え続けるプレーを応援しています。阪神なら、『やればできる』とお伝えしたいですね」。おなじみのネタでエールを送ったが、秋山が白星で応えるのは次戦に持ち越し。超ポジティブなパワーをもらって、次こそ7勝できるはずだ。【磯綾乃】