16年ぶりのリーグ優勝を目指す阪神が緊急トレードを敢行した。2日、ソフトバンク二保旭投手(31)と阪神中谷将大外野手(28)との交換を発表。

   ◇   ◇   ◇

ソフトバンク移籍が決まった中谷が、故郷福岡で再スタートを切る。「欲しいと思ってもらえることが一番、野球をやっている中でうれしいこと。ずっと優勝争いしてるチームで3軍まであって、レギュラー争いが厳しいチームだと思うので、正直不安もありますが、やることは変わらずやっていけたらなと思います」。ソフトバンクは故障者が多く、貧打解消の起爆剤となる外野手を熱望。福岡出身の中谷に白羽が立った。

10年ドラフト3位で入団。17年には自己最多20本塁打をマークしたが、今季はドラフト1位佐藤輝の加入などもあり、1軍出場がなかった。「苦しい思いのほうが多かったんですけど、チームメートにも恵まれましたし、本当に周りの人に恵まれた」。プロ11年を過ごしたチームに感謝した。

矢野監督とは電話で言葉を交わした。「矢野監督もトレードで変わったこと、本当にチャンスだから頑張れと言ってもらいました」。中日から阪神への移籍を経験した指揮官は、複雑な心境を思いやりつつ背中を押した。「悔しさもある。俺も実際、出された星野さんに対して、くっそと思ったし。将大も俺に対してそう思っていても、当たり前のことやと思う。それをまた力に変えるというか、そういう心境の変化はトレードではすごくある」。今年の秋、日本シリーズで再会できれば最高だ。【磯綾乃】