だましい! 初出場の全パ・楽天島内宏明外野手(31)が“明大魂”で球宴初打点をマークした。「3番左翼」で球宴初スタメン。同点の3回1死二、三塁、明大の8学年後輩の広島森下の初球直球を捉え、一、二塁間を破る勝ち越しの右前2点適時打。元同僚の一塁手、巨人ウィーラーと並び、地元東北のファンから拍手を浴びた。

第1打席でも紫紺のユニホームをともにした後輩を打った。1回2死から明大の5学年下の中日柳の初球直球を中前へはじき返した。前夜に代打で巨人ビエイラの初球163キロを中前打としており、3打席連続で初球安打。リーグトップの66打点を誇る勝負強さを発揮した。

バットでの活躍が光るが、本望ではないかもしれない。生え抜き10年目で初の晴れ舞台。意気込みを問われると、自慢の打棒ではなく「僕のグラブさばきと球際の強さを見てください」と、やや笑いながら“島内節”で守備でのアピールを宣言。この日もソフトバンク松田の提案で遮光用のアイブラックを左目の下に○、右目の下に×と前日とは逆に入れた。ファンに人気の試合中コメント“島内語録”を「松田さんの×じゃなくて○が効いています。松田さん、ありがとうございます。(真顔で)」と球宴でも披露した。

田中将と浅村が前日に続き、15日に接種した新型コロナウイルスワクチンの副反応とみられる体調不良で欠場。楽天の投打の柱を欠き、落胆する地元ファンを救う一打を、島内が見せてくれた。【桑原幹久】