ソフトバンクが長いトンネルを抜けた。敵地で楽天に逆転勝ちし、8日西武戦以来12日ぶりの白星を挙げた。栗原陵矢捕手(25)が5回に逆転15号2ランを放ち、苦しんでいたチームを救った。今季最長の連敗を5で止めた工藤公康監督(58)は「1つ勝つのは結構大変ですね」とホッとした表情で振り返った。

立ちはだかったのは、大きな壁だった。相手先発は田中将。メジャー移籍前も含めて、10年から9連敗を喫していた。天敵を倒すため、打線を組み替えて臨んだ。柳田を後半戦では初の4番に入れ、3番に入った栗原と打順を入れ替えた。中村晃を後半戦では初めてスタメンから外し、若手の川瀬を抜てきした。

1点を追う5回、2死から2番川瀬が安打。続く栗原の15号2ランで逆転に成功した。「2死から(川瀬)晃がヒットで出塁してくれたので、なんとか生かそうと打席に入りました。勝てたことが一番です」。08年以降は最高でも3点しか取れなかった相手から5点をもぎ取った。チームとして実に11年ぶりに土を付け、対戦成績を4勝17敗とした。

土俵際の戦いを制し、チーム一丸で大きな1勝をつかんだ。3位の楽天には再び3ゲーム差に迫った。次は22日から、敵地で首位ロッテとの2連戦が待っている。工藤監督は「本当にいい投手なのでね。ああいう投手から点を取れたというのが、次につながると思いますし、つなげてほしいなと思います」と気合を入れた。【山本大地】

▽ソフトバンク和田(14年ぶり2度目の田中将との投げ合いは4回3失点)「コントロールが定まらずに走者をため、自分で自分を苦しめる投球になってしまいました。3点のビハインドから逆転してくれた野手には、感謝しかありません」

▽ソフトバンク・モイネロ(8回、ピンチを招くも無失点)「先頭打者の四球は反省するべきところですが、それ以外の投球はある程度、満足のいくものでした。細かいコントロールなどは、これから投げていく中でもっと上がっていくと思います。もっと状態を上げられるように頑張ります」