矢野阪神の逆転Vが遠のく1敗となった。

2点を追う9回2死一、三塁で打席にはマルテ。だが、最後は見逃し三振。4時間19分の熱闘も、あと1本が出なかった。15安打を放つも今季ワーストの17残塁。矢野燿大監督(52)は「もちろん最後もそうやけど、前半3回までに点を取りたかった」と序盤で流れをつかめなかったことを悔やんだ。

早い仕掛けが空転した。2点を追う4回1死一塁で先発ガンケルに代打山本を送った。「勝負にいくしかない」。攻めの采配は的中し、この回4得点で試合をひっくり返した。しかし中継ぎ陣が誤算だった。5回に2番手馬場が塩見に13号ソロを浴び1点差に詰め寄られると、左腕及川を投入。まさかの3四死球で1死も奪えず無死満塁で降板。小川が同点犠飛だけで何とか踏ん張ったが、6回にアルカンタラが勝ち越しの2点を失った。

7投手で9四死球の惨状に、指揮官は「四球や死球では何も起こらないから。打たれたわけではない」と苦言を呈した。前日9日には7回からの3イニングを岩崎とスアレスで逃げ切った。必勝リレーにつなぐまで、リードを守れなかった。2点ビハインドの8回に岩崎を投入したが、流れは変わらなかった。

1勝2敗と痛恨のカード負け越しで、ヤクルトのマジックは9。DeNA、ヤクルト、巨人と勝負をかけた関東遠征は3勝3敗と想定外の結果だ。12日から敵地で巨人3連戦を迎える。矢野監督は「オレらがあきらめるわけはないんで。相手が負けるのを待っていても、優勝に近づくことはないんで。自分たちが、あきらめずに全員一丸でどう勝ちにつなげていくか」とファイティングポーズを崩さないが、残り11試合しかない。崖っぷちで虎の意地が見たい。【石橋隆雄】

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