一瞬たりとも見逃せない「新庄改革」が、南国で動きだした。

日本ハム新庄剛志監督(49)が8日、沖縄・国頭で行われている秋季キャンプを初視察した。全身真っ赤のジャージー姿で球場入りすると、あの手この手の“BIGBOSS流”で選手の身体能力を徹底チェック。当初の練習メニューを変更し、自らワゴン車の屋根によじ登ったりと、精力的に動き回り、選手の動きに目を光らせた。

    ◇    ◇    ◇

燃えるような真っ赤なジャージーに身を包んだ新庄監督が、いきなり周囲の度肝を抜いた。グラウンドに1台のワゴン車を招き入れると、脚立を使って車の屋根によじ登った。突然の“奇行”に首をかしげる報道陣をよそに、地上から3メートルほどの高さでバットを水平に構えて納得顔。…実はこれ、選手の送球能力を測るための“仕掛け”だった。

ミーティングで、野手陣の肩と足の身体能力テストを提案。練習メニューを一部変更し、肩の強さを測る遠投テストを実施した。本塁付近から左翼ポールへ向けてスローイング。三本間に駐車した車の屋根で水平に構えられた棒よりも低い送球を求めた。また三塁線よりも内側に入れば、送球がシュート回転している証拠。新庄監督は「どれだけ強いスピードで、遠くに投げられるか。真っすぐ、低い球で(投げられて)も距離が出ないなら、足の運びや体の使い方を教えていけばいい」と、今後の指導の方向性を明確にした。

走のチェックでは、メニュー表になかったベースランニングリレーを敢行した。40メートル走のタイムで2チームに分け、「勝った方に(最新機種の)iPhone13を、やろうかな?」と冗談交じりにつぶやいた(練習後には、小型マッサージ器を本当にプレゼント)。闘争心むき出しに走る選手たちをよそに、指揮官の目は冷静にベースの回り方をチェック。一直線の短距離走では測ることの出来ない、“野球用”の走力を確認した。

さらにバント練習用の打撃マシンも、従来の約130キロのスピードから10キロほど速度アップ。「意味のある練習をやっていかないと。練習のための練習をしていては、いけない」と、全てにおいて実戦を想定し、指示を飛ばした。

一通りのテストを終え「教えたいポイントはインプット出来ました」と、満足げ。昼食のため1度、球場を離れると、今度は黒いジャージーに“お色直し”するなど、分刻みの練習の中でも“遊び”の部分は、決して忘れない。「あと4回くらい着替えようと思ったけど、練習が終わったから(笑い)。(2日目は)裸で来るかも(笑い)まあまあ、乳首はNGかな」。明るく、楽しく。一方で厳しく、的確。新庄BIGBOSSの船出は、魅力たっぷりだった。【中島宙恵】