ソフトバンク藤本博史監督(58)が宮崎での秋季キャンプ休日の13日、オンライン取材に応じ「日本一になったらひげをそる」と珍公約を掲げた。

「そりますよ、もう。日本一は最高峰ですからね。そこまでいったら、そりますよ」と宣言。現役時代からのトレードマークに別れを告げる、ある意味では重大な目標をぶち上げた。

藤本監督は89年に南海がダイエーとなり福岡移転した直後にひげを伸ばし始めた。「(目が悪い)おじいちゃんのための目印やった」と、テレビなどで姿を判別できるようにしたのがきっかけだ。引退後もそらずにここまで来たが「盛り上がってくれたら最高ですね」と、5年連続日本一を逃したチームのモチベーションを上げるため一肌脱ぐ覚悟だ。

プロ野球界ではこれまでも、現役引退を決断した選手や、退任する監督を最高の形で送り出そうと「○○のために」とチーム一丸になった例は少なくない。1軍から3軍まで指導歴があり、ほぼ全選手が藤本監督と関わりのあるソフトバンクは、「ひげをそるために」と見えない力で躍進するかもしれない。

日本一の暁には、胴上げの後に大相撲の断髪式のような「ひげそり式」を開催? なんて夢も膨らむ。「そったら若いですよ」。南海時代以来、実に34年ぶりの姿を披露するためにも、14日からの第3クールでもチームを鍛えていく。【山本大地】

◆01年 近鉄梨田監督 就任1年目の00年は「優勝したら道頓堀に飛び込む」と公約したが最下位。翌年は「優勝したら通天閣を階段で上る」と約束し、見事リーグ優勝。日本シリーズ前の10月に日本一祈願を兼ねて、高さ103メートル、503段ある階段をユニホーム姿で4度上った。

◆07年 中日落合監督 長男福嗣さんの希望で「リーグ優勝できなかったら丸刈り」と約束。この年は2位に終わり、巨人が優勝を決めた後に丸刈りを決行した。

◆12年 ロッテ今江 12月にファンとの交流イベントで「優勝したらロッテのお菓子をタダで配りたい」と宣言。「選手にも呼び掛けてお金を集めて、球団の方にも協力してもらう。優勝した時しかできないですから」と楽しそうに語った。13年は3位に終わり未達成。

◆17年 日本ハム栗山監督 1月にスキージャンプの大会中継にゲスト出演。「日本一連覇したら飛ぶよ、俺。北海道の選手を勇気づけるために」と、テレビ番組で挑戦して以来、26年ぶりの「スキージャンプ」披露を宣言した。5位に沈み未達成。

【関連記事】ソフトバンクニュース一覧はこちら―>