気のせいだろうか、投球フォームがわずかに変わったように見える。ロッテ二木康太投手(26)に尋ねると「はい。気のせいじゃないです」と返ってきた。

【関連記事】ロッテニュース一覧

井口資仁監督(47)は「前より無駄な動きが(減った)」と表現する。パワーのため方、独特なタイミングの作り方など、微修正が入った。

「去年の秋、ファームに落ちてからいろいろと試行錯誤してやってたので。フォームが固まったのは、これってなったのは、キャンプくらいなんですけど」

昨季、開幕投手を任されながらシーズン5勝に終わった。シーズン最後の登板は、優勝争いが白熱する10月16日のソフトバンク戦(ZOZOマリン)での先発だった。しかし、2回途中5失点KO。その後のCSにも秋季練習にも、石垣島キャンプのA組(1軍)にも二木の姿はなかった。信頼回復へ、2軍コーチ陣に助言を受けながら一から作り直していた。

球速でいえば、この日も140キロに届かない直球が多かった。それでも相手に攻略を許さない。先発し、3回1安打1失点。相手打線にまだ主力級は少なかったもの、肝心なのは自身の投球だ。

「スピードガン自体はそんなに出てはいなかったと思うんですけど、投げてる感覚とかは去年とは全然違うような形で投げられてるとは思うので」

驚くほど速くなくても、キレと間と制球でアウトを奪う。「ずばぬけていい球というのはまだ、あまりなかったかなと思います」と言いながらも、二木らしさが少しずつ戻ってきた。

井口監督は「いろいろテンポを変えながら、前より無駄な動き(が減った)というか、ある程度テンポ良くは投げられたのかなと」と話した。開幕投手まで託した去年の期待値の大きさを考えればまだ及ばない。ただ「またイニングが増えてくると思うので」も付け加えた。指揮官はしっかり背番号18を見ている。【金子真仁】