ソフトバンクから阪神に加入した育成左腕の渡辺雄大投手(30)が開幕前に支配下登録されることが1日、濃厚となった。

プロ5年目の変則サイド左腕は8人の育成でただひとり1軍キャンプに抜てきされ、実戦4試合で4回3安打無失点と数字も残した。矢野監督は「1枚でも2枚でも左が入ってくると、うちにとっては大きい。もちろん、そう(支配下と)思ってオレも取っているし、こっちに呼んでいる。早い段階で、なべじい(渡辺)が欲しいって声をかけさせてもらっている」と1軍戦力として高く評価している。

左の強打者へのワンポイントだけではない。26日のオープン戦では右打者2人の内角へスライダーを食い込ませ連続空振り三振を奪い、右への対応力も見せている。指揮官は「なべじいも『よいしょ!』って言って、いいボール投げている」と、絶叫しながら投げる姿に攻めの姿勢を感じている。

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渡辺は「自分はほかの育成とは意味合いが違うと理解している」と、拾ってくれた阪神や矢野監督のためにも開幕1軍入りで恩返しする思いが強い。ここからのオープン戦は各球団の主力打者との対戦も増える。「1試合1試合アピールすることしかできない」と、さらなる快投で吉報を待つ。

◆渡辺雄大(わたなべ・ゆうた)1991年(平3)9月19日生まれ、新潟県出身。中越-青学大-BC・新潟を経て17年育成ドラフト6位でソフトバンク入団。20年支配下に昇格し、同年9月4日ロッテ戦で1軍戦初登板。昨季は6試合に登板も戦力外となり、阪神に移籍した。通算9試合、0勝0敗0セーブ1ホールド、防御率3・18。今季推定年俸600万円。左投げ左打ち。