ロッテ佐々木朗希投手(20)が、あこがれの人気お笑いコンビ「サンドウィッチマン」と“共演”を果たした。3月6日午後4時45分放送のNHK総合「サンドのお風呂いただきます 震災特番 岩手三陸海岸SP」内で実現した。

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人気の人情紀行バラエティーに、最速163キロ右腕はオンライン対談の形式で出演する。収録は2月に行われた。当時、佐々木朗は沖縄・石垣島で春季キャンプのまっただ中。練習後に、直線距離で2300キロ以上離れた故郷・岩手県陸前高田市にいる、大好きなコンビとひとときを過ごした。

東日本大震災から間もなく11年になる。収録日、サンドウィッチマンと元AKB48横山由依は、岩手・宮古から出発した。かつて、宮古と陸前高田は車で3時間以上かかった場所。陸前高田市民からは「宮古は泊まりで行く場所」という声もあった。昨年、三陸自動車道が全面開通し、所要時間も半分ほどに。オンライン対談もそうだが、11年間でのいろいろな変化が、今回の企画にもつながったといえる。

サンドウィッチマンらが訪れたのは、陸前高田市のかさ上げ市街地にある中華料理店「四海楼」だ。店主の長田正広さんは、震災前にはご近所だった佐々木家、特に震災で逝去した佐々木朗の父、功太さんとは大の仲良し。当時、大みそかに差し入れして喜ばれた「坦々鍋」と、その締め料理にあたる「麻婆坦々麺」を楽しみながら、対談は進んでいった。

球界のスター候補は少年時代からお笑い好きで、人気のお笑い番組はかなりチェックしていたという。テレビ番組で知って、ネット動画で深めていくタイプ。19年末のインタビューで大好きな芸人を問うと「サンドウィッチマンさんです」と間髪入れず答えていた。両親の影響で大好きになったという。

対談は、これまで明かされなかった少年時代などの秘話も多く織り込まれている。震災11年。しみじみな話題もありながら、会話は和やか。立ち会った関係者は「とても盛り上がっていました」と明かした。もちろん“サンド節”も随所に。大の楽天ファンとしても知られている2人。かなり際どい質問もいくつかあり、その時の佐々木朗の表情の変化なども見逃せない。 番組では163キロ右腕との対談以外に三陸鉄道、釜石海上保安部などでもロケ。宮古市田老地区にある「たろう観光ホテル」にも訪問している。震災遺構第1号となったホテルでは、当時6階から撮影された大津波襲来の映像を、サンドウィッチマンらはその6階で視聴。私もかつて6階でその映像を見たが、あまりの衝撃ぶりに言葉を失った。

11度目の3・11。復興は着実に進むが「風化させてはいけない」が如実に伝わる番組でもある。【ロッテ担当=金子真仁】