頼もしい男たちが帰ってきた。新型コロナ陽性で離脱していた楽天西口直人投手(25)とアラン・ブセニッツ投手(31)が出場選手登録され、即出場した。同点の6回に西口、7回にブセニッツが登板。5回までに4点を奪われたソフトバンク打線を無失点で封じた。チームは逆転勝ちで、首位浮上。リリーバーたちで流れを引き寄せた。

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西口は踏ん張った。6回2死から柳町に甘く入った直球を捉えられ、中堅フェンス直撃の二塁打を浴びた。2死二塁と勝ち越しのピンチを招いたが、続く今宮には強気の投球。直球を3球続け、空振り三振に仕留め、無失点で切り抜けた。

ブセニッツは喜びを投球で表現した。「ずっとゲームで投げたかった」。先頭の甲斐を152キロ直球で見逃し三振とすると、三森を二ゴロ、野村勇を見逃し三振。3者凡退でつないだ。チームは9回に逆転勝ち。好投で後続に託し、首位浮上を呼び込んだ。「まずは復帰登板がしっかり抑えられて良かった」と充実感を漂わせた。

ともに1日に新型コロナウイルス陽性が判明した。開幕から陽性者は選手9人、コーチ1人の合計10人に達し、則本、小峯、弓削ら投手陣の離脱が目立った。8回安楽、9回松井裕の勝利の方程式までいかにつなぐか。石橋や、福井、津留崎ら代わりに昇格した投手陣が奮闘し、4月は7戦5勝と勢いを止めなかった。そこで昨季33試合に登板した西口と31試合のブセニッツが復帰。石井GM兼監督は「誰が入っても変わらないけど、西口とブセが入って、1つ心強さはある」と歓迎した。

首位浮上とは言っても“マイナス0・5差”。シーズンもまだ序盤。勝ち星を重ね、最後まで走りきる必要がある。指揮官も「(首位を考えるのは)早い早い。130試合終わってから」と表情を和らげながらも、目線は真っすぐ先を見据えていた。【湯本勝大】