広島野間峻祥外野手(29)が「日本生命セ・パ交流戦」開幕のロッテ1回戦(マツダスタジアム)で猛打賞と1人、気を吐いた。

打線は先発石川らロッテ投手陣に5安打に抑えられるなど沈黙。投手陣も四球絡みで失点を重ねるなど、7失点。1軍復帰後は1番に定着した野手主将の孤軍奮闘も実らず、交流戦は黒星スタートとなった。

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必死の形相でバットを振り、そして走った。1番野間は1人で3安打。突破口を開こうと快音を響かせたが、得点にはつながらなかった。チームはわずか5安打に抑えられ、今季3度目のゼロ封負け。17年以来の交流戦白星発進はならなかった。

「欲を言えば6回、先頭のときにも塁に出られたら。やっぱり勝たないと意味ない。とにかく今日は今日でいろんな反省ありますけど、また明日しっかり勝てるように頑張りたい」。

孤軍奮闘にも、表情は厳しいままだった。1点を先制された直後、追い込まれながらしぶとく左前に運んだ。3回は2死走者なしから再び左前へ。6点ビハインドとなった8回は1死一塁から詰まりながらも二塁後方に落とす右前打でチャンスを広げた。停滞感を破ろうと食らいついた。4試合連続1番で3度目の複数安打で、打席数が少ない中でも打率を4割とした。

立ち上がりから劣勢の展開となった。5回は2死から出した四球の走者を一塁に置き、8番松川に適時二塁打を浴びた。次打者は普段打席に立っていない投手石川だっただけに、ダメージの残る追加点となった。その後も四球から失点し、リードを広げられた。

戦前、チーム内外から「鬼門」や「苦手」という言葉が聞かれた。クラスター発生が重なり3勝12敗3分けと大きく負け越した昨季とは異なり、今季は離脱者はいない。投打ともに軸がそろってきたといえる。「とにかくチームの勝利に貢献できるように。1試合1試合真剣に、全力で、がむしゃらにやるだけ」。1人気を吐いた野手主将の言葉がやるべきことを示している。開幕直後に“鈴木ロス”を跳ね返す好スタートを切ったように、鬼門と言われる交流戦でも“やっちゃろうや”の姿勢が求められる。【前原淳】

○…この日今季2度目の1軍昇格した宇草が、代打で出場して四球を選んだ。8回1死から登場。しっかりと見極め、出塁した。「打ちたい欲を抑えて、投手と勝負できた。打ちにいっての見極めが課題だったのでそれが1つできて素直に良かった」。今季は開幕1軍を勝ち取るも2度、出場選手登録を抹消された。残り期間の1軍定着へ、1つずつ結果を出していく。

○…先発床田は7回4安打に抑えたが、3失点して3敗目を喫した。自身の交流戦初白星も逃した。初回は1死三塁から犠飛で先制点を献上。5回2死一塁では適時二塁打、6回1死三塁では一ゴロの間に、それぞれ失点した。「初回あっさり1点とられた。相手も勢いづくし、余裕を与えた。初回の立ち上がりをもっとしっかりすれば良かった」。2年連続で交流戦の開幕投手となったが、勝利をもたらすことはできなかった。

▽広島佐々岡監督(7回まで3安打無得点に抑えられたロッテ先発石川に)「いい投手はなかなか打てない。イメージがあった中で精度のいい球を投げられた」

▽広島東出野手総合コーチ(7回を3安打に抑えられたロッテ石川について)「みんな1巡目におとなしく入りすぎた。甘い球もあった。内容が出るならいいけど、そのあとに打たされるなら仕掛けていってほしい」

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