新本拠地初安打も…。広島秋山翔吾外野手(34)がDeNA15回戦(マツダスタジアム)で新天地広島での初安打を記録した。本拠では2戦連続無安打。この日も第1打席は二飛に倒れたが、続く本拠地10打席目となる第2打席に待望の一打が生まれた。チームは敗れて4位タイ転落も、地元ファンの前での一打を浮上のきっかけとしたい。

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打球が一、二塁間を抜けると、広島ナインに笑顔が広がった。視線の先には、秋山がいた。0-3の3回だ。1、2番の連打で1死二、三塁となって迎えた2打席目。追い込まれながらDeNA石川の真っすぐを引っ張った。広島加入後マツダスタジアム10打席目に飛び出した。スタンドも大きな拍手を背番号9に送った。

「いい形でつないでもらったので、前に飛ばすだけだと思って打ちにいきました。抜けてくれて良かったです」

生みの苦しみを味わった。本拠地デビュー戦から2試合連続無安打。スタンドには背番号9のユニホームを着たファンや背番号9のタオルを掲げたファンが大勢いた。送られた大きな拍手とともに「また1つ、ここで野球をやって、このファンの人たちを喜ばせるプレーをどんどんしていきたいなと思うような瞬間」と語っていた。特に12日のデビュー戦の光景は「おそらく忘れることはない」というほど特別なものだった。

米国では6月上旬に実戦から離れ、広島移籍後の7月2日ウエスタン・リーグ中日戦から4試合で1軍に合流。急ピッチで仕上げた影響か、まだ本来の打撃ではない。体のキレを出すためにフリー打撃前には連続ティー打撃を取り入れ、プレーボール前にはベンチ前で感覚を確かめるようにバットを振った。

初の本拠地3連戦は悔しい結果に終わった。初安打以降は無安打。チームも2カード連続負け越しとなった。再び4位に転落も、佐々岡監督は本拠地初安打の秋山に「昨日も内容は悪くない感じがしました。気持ち的にも、地元で打てたので変わってくるのかなと思います」と浮上の兆しを感じている。敵地での巨人3連戦をへて、再びマツダスタジアムに帰ってくる。やり返すチャンスは、まだある。【前原淳】

▽広島一岡(20年10月9日ヤクルト戦以来の1軍登板で1回無失点)「1点差で行かせてもらった。(大拍手が)本当に力になった。ほっとすると次やられちゃうので、次も普段通りの投球をやっていきたい」

○…先発アンダーソンが6回途中4失点で3敗目を喫した。3回2死走者なしから安打と四球でピンチを招くと、佐野と牧の適時打に味方の失策も重なって3失点。同点に追いついた直後の6回には牧に勝ち越しソロを被弾。決勝弾となった。佐々岡監督は「2アウトからもったいない。2アウトからの走者をためての3番、4番にはつなぎたくないところ」と振り返った。2カード連続負け越しで4位に転落した。

○…先発アンダーソンがカーブの制球に苦しみ、3敗目を喫した。3回2死走者なしから安打と四球でピンチを招くと、佐野と牧の中軸2選手に適時打を浴びるなど3点を失った。「あそこは悔しい場面になりました。特にカーブが試合全体決まらなかったことが僕が不利になった」。同点に追いついた直後の6回、牧に浴びた勝ち越しソロが決勝弾となった。6回途中4失点と、粘ることができなかった。

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