<オリックス2-0日本ハム>◇20日◇京セラドーム大阪

プロ2試合目のマウンドに立ったオリックスのドラフト1位椋木蓮投手(22)が、プロ野球史上87人目、通算98度目のノーヒットノーランを、「あと1人」で逃した。 9回2死で代打佐藤にカウント2-2からの6球目を中前にはじき返された。椋木はここで降板した。 新人選手のノーヒットノーラン達成は87年8月9日の巨人戦(ナゴヤ球場)で中日近藤真一が「プロ入り初登板ノーヒットノーラン」を達成して以来。椋木はプロ野球史上2人目の快挙目前だった。 それでも2番手の平野佳が後続を断ち、椋木は2勝目。

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3つのアウトを奪ってベンチに戻る椋木の隣には、ドラフト同期の野口が常にいた。21年ドラフト1位と2位でオリックスに入団。堂々の風格で奮闘中の新人コンビだ。

この日のイニング間。椋木はベンチ最奥に座り、タオルで汗をぬぐった。するとその隣から声が…。「ずっとトモ(野口)が横で『すごい!』と言ってきた。そのたびに『言わんでぇ~!』って言ったら、次からニヤけて見るだけになって、目でアピールしてきました」。球界ではノーヒットノーランを意識させないよう、投手に配慮することが多いが、野口は正反対。これも信頼し合っているからこそのチャチャ入れだ。

大阪・舞洲の球団寮から球場入りする右腕は、20歳の宮城の車で到着する。初心者マークの助手席に座りながら「緊張しますか?」と問いかけられるという。椋木はそんな宮城をはじめ「みんな、すごい投手ばかり」とエース山本を筆頭に、山岡、田嶋らを尊敬してやまない。投手王国の一員の仲間入りへ-。ムックが愉快な仲間たちと切磋琢磨(せっさたくま)する。【オリックス担当 真柴健】