待望の1発だ! 阪神佐藤輝明内野手(23)が甲子園で98日ぶりに放物線を描いた。1点リードの6回2死二塁。カウント3-1からDeNA2番手京山の140キロフォークを振り抜いた。バックスクリーン左に運ぶ15号2ラン。「ヤギ(青柳)さんが頑張ってくれていましたし、次の1点が大事になってくる展開だったので、打つことができてよかったです。キモティー!」。甲子園での本塁打は4月15日の巨人戦以来。36試合、150打席ぶりとなる感触を喜んだ。

本塁打の直後には、電光掲示板に飛距離「141m」が表示され、球場にどよめきが起こった。プロ入りから本拠地で最長となった。「去年のエキシビションマッチのホームランを思い出しました」。21年の7月27日のロッテ戦で、137メートルの決勝2ランを放っていた。「久しぶりの甲子園で打ったので。すごい気持ち良かったです。惜しい当たりもありましたし、感覚はどんどんよくなっているので、すごいうれしいです」。本塁打自体も6月30日DeNA戦以来で、7月初アーチだ。なかなか打球が上がらず、虎の懸念材料になっていたが、これでひと安心だ。

この日は球宴で行われるホームランダービーの出場選手が発表され、佐藤輝もファン投票で選ばれた。ルーキーイヤーから2年連続の出場。「ホームランダービーは別物。それはそれで楽しみたい」。夢の祭典へ思いを募らせる。

佐藤輝の豪快アーチに、矢野監督も「なかなか最近ホームランが出てなかったので、本人もちょっとホッとしたんじゃないですかね」と気持ちを思いやった。前半戦最終カードの初戦を取り、3位・DeNAとのゲーム差を0・5へと縮めた。「しっかり練習してもっと打てるように頑張りたいと思います」。前半戦も残り2試合。復調の兆しを見せた虎の4番が、本塁打の量産態勢に入る。【三宅ひとみ】

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